[プロフィール] エイハブ : 名称:エイハブ(コードネーム:ヴェノム・スネーク又はBIGBOSS)
年齢:52歳(実は本物より年上)
大まかな性格:口数は少ないが、少ない中でその言動の端々から非常に仲間思いという事が窺がえる。その思いはあまりに強く、時に仲間が目の前で危機に陥った際に冷静さを失う事さえある。『他者の意思を尊重し、そして自らの意思を信じること』ができる。
戦闘方法:体術(主にCQC)による近接、射撃によって中距離、遠距離もカバーする。

スタンド:アヌビス神
【破壊力:B スピード:B 射程距離:E 持続力:A 精密動作性:E 成長性:C】
妖刀に宿る独り歩き系のスタンド。
刀に『生身』で触れた者に憑りつく。
憑りついていない、鞘に納められた状態で憑りつけないままでも
刀に近づいた者や、触れようとした者に囁く事ができる。

-スタンド能力
憑りつかれた者は人格をアヌビス神に支配され、剣の達人となる。
その目で捉えた攻撃(性質、パターン)を"記憶"する事ができる為、同じ轍を踏むことは無い。
そして、この妖刀の真髄は「物体を透過して斬りつける」事にある。

弱点は、アヌビス神の宿っている刀そのものは「普通の刀」である為に
水に浸かれば錆びるし、粉々に破壊されたらそれまでだし、1500度以上で熱されれば溶ける。アヴドゥルが怖い。

そして何より『生身』で触れられなければ
刃部分の透過と、囁く事しか出来ない。でも、一応アヌビス神自身に「記憶」能力が備わってるので、憑りつかれてない状態でもアドバイスはできるかも。

負けの許容:生きた証、意味を遺せるならいつでも
小目標:自分の中の"鬼"を捨てて、今日より良い明日を作る。そしてそれを『生きた証』として周りに遺したい。

[メイン] エイハブ :  

[メイン] エイハブ :  

[メイン]   : ───僕達は 孤独に死んだはず
ずっと ずっと 前に

[メイン]   : 誰に判る? 僕ではないと
    コントロール
僕達は『制御』を失わない

[メイン]   : あなたは向かい合っている

"世界を売った男"と

[メイン] エイハブ : 「…………」
気づけば、俺は身元不明ではあるにも関わらず
SPW財団と呼ばれる組織に保護され、療養していた。

[メイン] エイハブ : それが、遡る事
一年前の話。

[メイン] エイハブ : 今は───……SPW財団のエージェントとして
任務を遂行し続けていた。

[メイン] エイハブ : …………そして、その"今"
その日。地球上に、降り注いだ星が地上で爆ぜた。

[メイン] エイハブ : そこには、この世界において失われたはずの"過去"が
眠っていた。そしてその"過去"を巡り、すでに暗躍が始まっているらしい。

[メイン] エイハブ : だが、俺にとっては焦燥は無い。
むしろ……親しみさえ覚えていた───それは何故か。

[メイン] エイハブ :  

[メイン] エイハブ : 俺がSPW財団に保護された、あの日にも。
"星"は降り注いでいたからだ。

[メイン] エイハブ : ……関連性は不明。
だが、財団のエージェントとして、そして……自分の為にも
今回の騒動を阻止、鎮圧するべきだと考えた。

[メイン] エイハブ : 「…………行くぞ"アヌビス"」

[メイン] エイハブ : 左腕の義手で、刀を握りしめる。

[メイン] エイハブ : 「海の藻屑になるはずだったお前が……刀に言うのもおかしい話だが
 なぜ『五体満足』になっているかも、わかるかもしれないぞ」

[メイン] アヌビス神 : 「…………おれは元に戻れただけでも それで『十分』だ
 だが、『石仮面』……それはおれがかつて仕えていた主を主たらしめたものだ」

[メイン] アヌビス神 : 「好奇心に押されてやろう……だからエイハブ……
 そろそろ、その右手でおれを握りしめろ……」

[メイン] エイハブ : 「断る」

[メイン] アヌビス神 : ……クソォオオ~~~~ッ!!! コイツ……!!!

[メイン] : こうして、一人の毒蛇は妖刀と共に往く……。

"108"の破片を、その肉体の中に眠らせながら。

[メイン]   :  

[メイン]   :  

[メイン3] エイハブ : ───20××年 某日 某時刻

[メイン3] エイハブ : まだ寒気が続いているにも関わらず
妙に茹だるような熱気さえも感じていた。

───幻視。いや、これは間違いなく
仮面を巡った"意思"のせめぎ合い、その前触れ。

[メイン3] エイハブ : 俺は、歩を運びながら
───仮面を求めていると言われる"ゾンビ"を探す。
財団からの情報によれば、被害はすでに出てはいるが……そのエリアに増援は現在必要はないと言われている。

[メイン3] エイハブ : 俺は、更なる敵を捕捉するべく
単身で"潜入"していた───……

[メイン3] ジョジョ : 「……あの、すみません」

[メイン3] エイハブ : 「………」
突然───声をかけられ
見れば、丸太のような根付いた足から見上げていけば、目を見張るほどの巨漢が立っていた。

[メイン3] エイハブ : 「…………アンタは?」
只者ではない。一目で、そうわかった。

[メイン3] ジョジョ : 「信じてくれないかもしれないですけど……」

「突然ここに来て……何処か分からないんです」

[メイン3] ジョジョ : 「案内などを頼めるでしょうか?」

[メイン3] エイハブ : 「…………? 一体、どういう事だ?

 それに見たところ……その服装は妙に古めかしい」
突然ここに来て、何処かわからない。
その言葉は、俺にとって───決して他人事ではなかった。少なくとも一年前は。

[メイン3] エイハブ : そして何より───『今』も"通用"する独特なセンスだが
その服装は、80……90年代……いや、もっとそれより以前の芸術性を感じた。

[メイン3] ジョジョ : 「……やっぱり、どういうことか分かりませんよね……」

[メイン3] ジョジョ : 「しかしッ!ぼくも同じく、今ぼくがなぜかここにいるということしか分からなくて……」

[メイン3] エイハブ : 「───坊主
 今は『20××』年だ」
その声の通りからして、"若々しい"事がわかり。
同時に、この青年が何者なのかが気になり、そう呟く。

[メイン3] ジョジョ : 「えッ……!?」

[メイン3] エイハブ : 「───やはりな……お前"も"か」

[メイン3] ジョジョ : ぼくが豪華客船でディオと対面したのは……
1889年……
そんなバカなッ!100年以上も経っているじゃないかッ!

[メイン3] ジョジョ : 「お前も……?」

[メイン3] エイハブ : 「……俺は”1984"年からやってきた
 かつては9年も眠ったが、今度はそれどころでは済まなかった」

[メイン3] エイハブ : 「───坊主、となればお前も……
 この一件は、『無視』できないものだ」

[メイン3] ジョジョ : 1984年……
この時代よりかは遠いけど……
それでも時代が違うッ!

[メイン3] ジョジョ : 「……一体……」

[メイン3] エイハブ : SPW財団のエージェントである前に、俺は───エイハブ。
この男にも『教えなければならない』───……。

俺は、今回『起こるかもしれない』騒動と、その起因となった『星』
そして……

[メイン3] エイハブ : ───星に眠っていた『石仮面』の事を、口にした。

[メイン3] ジョジョ : 「……石……仮面……」

[メイン3] エイハブ : 「かつて、全て"破壊"されたという情報を聞いている
 『ジョースター』によって……」

[メイン3] ジョジョ : ジョースター……『ジョースター家』ッ!
ぼくの……ぼくの家の名前だッ!

[メイン3] ジョジョ : それに石仮面……
あるというのかッ!
ディオにあの呪われた力を与えたあの仮面がッ!
今この、百年以上も時を隔てたこの時代にッ!

[メイン3] エイハブ : 「!! ……」
その反応を見て、この男の正体───その確信に至る。

[メイン3] エイハブ : 「坊主……

 名前はなんて言う」

[メイン3] ジョジョ : 「……ジョナサン・ジョースター」

[メイン3] ジョジョ : 「ちぢめて、『ジョジョ』だ」

[メイン3] エイハブ : 「───ジョナサン・ジョースター……!!! ジョジョ……か」

SPW財団に所属し、何度も耳に挟み、耳朶に触れてきた。
ジョースター家。その先祖……財団の発足、その遠因となった男。

『ジョナサン・ジョースター』……

[メイン3] エイハブ : 「となれば……話は早いかもしれないな
 この町には、今カバーストーリーの下、その実、避難命令が出されている」

[メイン3] ジョジョ : 「避難命令だってッ!?」

[メイン3] エイハブ : 「───石仮面の『引力』に惹かれてか……

 "ゾンビ"によって、な」

[メイン3] ジョジョ : 「ゾンビ……」

[メイン3] ジョジョ : 吸血鬼が作り出す動く死体……
吸血屍人!
それがこの街に居る……!?

[メイン3] エイハブ : 「坊主───いや、"ジョジョ"
 あんたの事はよく知っている……かつて存在した仙道"波紋"の使い手である事も
 太陽の光が描く……その形を呼吸によって放つ……と」

[メイン3] エイハブ : 「財団への報告は後だ、余計な混乱を生むかもしれない
 だが俺の、自己判断だ。

 あんたはこの件を見過ごしてはいけない存在、そう俺は考えている」

[メイン3] ジョジョ : 「……ああ」

[メイン3] ジョジョ : もしぼくが絶ったと思い込んでいた石仮面の呪いが、この時代にまで残っているとするならば。

[メイン3] ジョジョ : 決着は付けなければならない。

[メイン3] ジョジョ : たとえこの身が、この時代にとっての異物だとしてもッ!

[メイン3] エイハブ : 「───」
その目を見て、俺は口角を上げ……

[メイン3] エイハブ : 「俺は、エイハブだ
 よろしく頼む───"スピードワゴン"財団に保護されて以来
 帰る場所もない。知らない。だからエージェントとして活動している」

[メイン3] ジョジョ : 「……“スピードワゴン”」

[メイン3] エイハブ : 「ああ───設立者は

 ロバート"EO"スピードワゴン」

[メイン3] ジョジョ : 「……そうか」

[メイン3] ジョジョ : スピードワゴン……
『遺す』事をエリナに託してしまったぼくと違って……
きみはやり遂げたのか……

[メイン3] ジョジョ : のちの世界に……
人の為となるモノを『遺す』ことを……

[メイン3] エイハブ : 「時代を超えても───あんたの子孫を、全力で支援する為だと

 ………良い友人をもったな」

[メイン3] エイハブ : 『他者の意思を尊重し、そして自らの意思を信じること』───……
きっと、スピードワゴンという男には、できたのだろう。

[メイン3] エイハブ : そして、おそらく

俺の目の前にいる男も。

[メイン3] ジョジョ : 「ああ。かけがえのない、友人だ」

[メイン3] ジョジョ : 親をやれなかったぼくの代わりに、ぼくの子孫を、そして『残してしまった』エリナを守ってくれたのは、君だったんだね……

[メイン3] ジョジョ : ……ならば、この一度失った身体は、その御礼の為に使うべきだッ!

[メイン3] エイハブ : 「───フッ
 ……ジョジョ、俺達は過ぎ去った『過去』そのものだが
 ならば、過ぎ去ったにもかかわらず残った因縁も、過去へと引きずり」

「そして全てを、元に戻そう」

[メイン3] ジョジョ : 「……ああ!」

「『今』になってしまった『過去』を引きずり戻す権利は、『過去』から来たぼくたちにだけあるッ!」

[メイン3] エイハブ : 「───…………」
無言で、ニヤリと返し───歩を揃える。

                   ミッション
これは『マイナス』を『ゼロ』へと戻す、任務だ。

[メイン3] エイハブ :  

[メイン3] エイハブ :  

[メイン]   : ───……

[メイン]   : 遠方から聞こえる車の
悲しく響く騒音も、疎らになってきた中
ジョースター一行(といっても二人)は、気配を感知できるように
気を張り巡らせ続けていた。

[メイン] エイハブ : 「───ゾンビはすでに一角で被害を出しているが
 どうやらここは"まだ"ゾンビが広がっていないらしいな」

[メイン] エイハブ : 増援こそ頼まれてはいない。
だが、それはつまりまだ未確認のエネミーの発見と
その一角から漏れたエネミーの排除という重大な任務を俺は兼ねているという事になる。

[メイン] エイハブ : 「ジョジョ……波紋で敵を探知できるとも聞いたことがあるが
 ……本当に、できるのか?」

[メイン] ジョジョ : 「ああ、少し、何か液体を貰えるかい?」

[メイン] エイハブ : 「───ああ」
中身が見える水筒……ボトルと言った方が近いか、ジョジョに渡す。

[メイン] ジョジョ : 「……」
バチバチ、と音を立てて太陽の光が垣間見える

[メイン] エイハブ : 「───これが波紋探知機、ってヤツか……」
太陽と等しい光。それが、この男の手元で確かに輝いている。

[メイン] ジョジョ : 「これで、近くの生命がどの方向にいるか分かるはずだ」

[メイン]   :

───水は、最初こそは光を垣間見せていただけだった。

[メイン]   : しかし

[メイン]   : 次の瞬間。

[メイン]   : ドボンッッッッ!!!

そう、音を立ててボトルが弾け飛び───中身がアスファルトの上にぶちまけられた。

[メイン] エイハブ : 「!! ───これは」

[メイン] ジョジョ : 「何ッ!?」

[メイン] ジョジョ : 「何か……何かとても強い力を持ったモノが、この近くにいるッ!」

[メイン] エイハブ : 「何───……!!!」

瞬間、うだるような熱気は確かな殺気へと変わっていたのに気づき。

[メイン]   : 瞬間。

ジョナサン達の目の前に立ち並ぶ家々が、火を噴き。
そして───消し飛んでいく。

[メイン] ジョジョ : 「ッ、炎ッ!?」

[メイン] エイハブ : 「ッッッッ……!!!」

飛んでくる木片、礫を躱しながら近くの遮蔽物となりえる電柱へと身を隠す。

[メイン] エイハブ : こ、これは……『パイロキネシス』か……!!?

[メイン] エイハブ : まさか───

[メイン] 第三の少年 :  

[メイン] 第三の少年 : 「…………」

[メイン] 第三の少年 : 一人の少年が、爆炎の中から平然と姿を現す。

宙を浮かびながら。

[メイン] エイハブ : 「───あれは……」
オセロットがこう言っていた───『第三の少年』
そして、俺の前に幾度もなく現れ……かつてヴォルギンと呼ばれていた男の思念に同調していた……。

[メイン] ジョジョ : 「……少年ッ!?少年が宙に浮いているッ!」

[メイン] エイハブ : 「ジョジョ!! 気をつけろ───俺はあの子供を知っている……
 "超能力"を使う……だが、彼はそれを制御しきれていない」

[メイン] エイハブ : 「……まさか、1984年からもう一人、来ていたとはな……」

[メイン] 第三の少年 : ふわ、ふわ、と浮かんでいる少年の真下。
消し飛んだ家々に代わり、炎を揺らめかせる空間から───
炎に焼かれながら。

[メイン]   : ───『ゾンビ』が現れるッ!!!

[メイン] ジョジョ : 「!」

[メイン] エイハブ : 「……!!!」
そして、俺にとっての『初見』はあのゾンビ。
映画で目にするようなゾンビとは、また違う───……!

[メイン] ゾンビ : 知性ッ! その欠片も無いッ!
ただ貪ろうとするのみッ!!!
ゾンビの群れが ジョジョ達へと襲い掛かる───!!!

[メイン] エイハブ : 「どうやら───操っているようだな
 『屍生人』を……!!!」

[メイン] ジョジョ : 「!下がってッ!」

[メイン] エイハブ : 「!」

[メイン] ジョジョ : 山吹色の光を手に纏わせて

[メイン] エイハブ : 言われた通り、その場から一歩、二歩と離れ───

[メイン] ジョジョ :
 サンライトイエローオーバードライブ
「『山吹色の波紋疾走』!!」

[メイン] エイハブ : ───その光がジョジョを纏った途端
それが振るわれ……ゾンビへと打ち込まれるのを"目撃"するッ!!!

[メイン] ゾンビ : 「!!!」

「ギャアアアアアアアア───z__!!!!」

[メイン] エイハブ : ゾンビ共が、煙を上げて
屈強な肉体がまるで水のように、虚空へと溶けていく……!

[メイン] ジョジョ : 拳が大きく屍生人たちに叩き込まれるッ!

[メイン] ジョジョ : 「屍生人の相手はぼくがッ!
 エイハブはその少年をッ!」

[メイン] 第三の少年 : ───それを見た途端、少年は

突如───…………

[メイン] 第三の少年 :  

[メイン] ジョジョ : 「!?」

[メイン] 第三の少年 : 「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYY────ッッッ!!!!!!!!!!」

[メイン] ジョジョ : 「!!!」

[メイン] エイハブ : 「わかっ───!!?」

なんだこの奇声は……!

[メイン] 第三の少年 : 近くに停まっていたロードローラーが静かに持ち上がり始める。

[メイン] エイハブ : 「───くっ!!!」
少年を"撃つ"事はできない。
だが、たとえどうにかしようにも、この"ロードローラー"は突破できない。

[メイン] アヌビス神 :  

[メイン] アヌビス神 : 「───エイハブ」

[メイン] エイハブ : 「……ああ」

───忘れてはいないさ

[メイン] エイハブ : 俺は、鞘から左腕の『義手』で引き抜いた───刀を爆炎の放つ光で光らせる。

「───頼んだ "アヌビス"」

[メイン] アヌビス神 : 「フッ───……どうせお得意のパターンだろうが」

[メイン] エイハブ : 俺は、そのまま少年にとっての遮蔽物になると同時に
こちらへと今にも投げ込まれそうなロードローラーに向かい───
その妖刀を───

[メイン] エイハブ : 『投擲』するッ!!!

[メイン] エイハブ :  

[メイン] アヌビス神 :  

[メイン] アヌビス神 : ───『透過』

[メイン] ジョジョ : 「なッ!?」

[メイン] 第三の少年 : 「!!!」

[メイン] ゾンビ : 「ウッウワッ ギャアアアアアッ!!!」

[メイン] エイハブ : ゾンビ共も、向こうで巻き込み
"ロードローラー"をすり抜けて、アヌビスが切り刻んでいく───!

[メイン] 第三の少年 : 動揺し、ロードローラーを持ち上げるのを中断し
さらに高度をあげる。

[メイン]   :  

[メイン]   : 『アヌビス神よ……』

[メイン]   :  

[メイン] アヌビス神 : 「!? な なんだァ~~……『今』のは……?」

[メイン] アヌビス神 : そのまま、ヴェノムに上手く弧を描くように投げられた刀はブーメランのように戻ってきて
ヴェノムの手元へと戻ってくる。

[メイン] ジョジョ : 「すごいッ!刀がモノをすり抜けたッ!」

[メイン] エイハブ : 「───これは"スタンド"というらしい
 『立ち向かうもの』あるいは……『傍に立つもの』……!!!」

[メイン] ゾンビ : 理性の無さにつけこまれていたゾンビだが
少年が高度を上げた事によって、能力の及ぶ範囲から外れたのか……

[メイン] ゾンビ : 今度こそ

ノミのように『血肉』を求め、迫るッ!!!

[メイン] ジョジョ : 「くっ!」

[メイン] エイハブ : 「───援護する!」
ゾンビの頭部に向かい、銃弾を撃ち込んでいく。

[メイン] エイハブ : 「トドメは───波紋使いでなければ、塵にはできないだろう
 頼んだぞ……」

[メイン] ジョジョ : 「わかったッ!」

[メイン] ゾンビ : 頭部を撃ち抜かれ、倒れていく者もいるが
それでも衰えない勢い───恐怖を微塵も感じない! まさに『ノミ』も同然ッ!

だがそれでも、あの男の前には歯が立つはずもないッ!

[メイン] ジョジョ : 手に持った鉄の棒を、まるでかの勇者の使った剣のように構えるッ!

[メイン] ジョジョ : メタルシルバーオーバードライブ
「銀色の波紋疾走!!」

[メイン] ゾンビ : 疾走するッ!!! 銀の軌跡ッ!!!
ゾンビ達は次々と、あっけなくッ! まるで煮えたぎったアスファルトに撒かれた水のように蒸発していくッ!

[メイン] ゾンビ : 「ギャアアアアアアアアア───z___!!!!」

[メイン] ジョジョ : 「散滅すべし……」

[メイン] エイハブ : これが、波紋の戦士───
あの弾丸ではタダでは倒れない屈強なゾンビ共を……一瞬で塵へと還した……!

[メイン] エイハブ : 「ジョジョ───流石だ
 波打つようにこちらへと迫っていたゾンビを一瞬で、とはな」

[メイン]   :  

[メイン] ザ・ワールド :
 ウ
  ゥン

[メイン] アヌビス神 : 「───!!?」

[メイン] アヌビス神 : 「伏せろッ! テメーらッ!!!」

[メイン] エイハブ : 「!?」
何かわからないが、アヌビス神には何か見えたらしい───

[メイン] ジョジョ : 「何ッ!?」

[メイン] ザ・ワールド : その時、"見えない"にもかかわらず
その拳の風圧は、二人の目にたしかに捉えられ。

[メイン] ジョジョ : 先程からの違和感……
ぼくが知るはずのない、だがよく知っているこの感覚……!
そんな……この感覚は……

[メイン] ジョジョ : 「『ディオ』・・・・!?」

[メイン] エイハブ : 「ッッ!!」
風圧を感知し───何とか躱す。

[メイン] エイハブ : 「ジョ ジョジョ───!!! 躱……」

[メイン] ジョジョ : 「ぐッ!!!」
その振るわれた不可視の拳を左腕で受けるッ!

[メイン] ザ・ワールド : 「───……」

[メイン]   : 不可視の拳を受け止められた瞬間

アヌビス神にだけは見えていた、そのスタンドは消えていく。

[メイン] ジョジョ : 「何か……何か『いる』ッ!」

「これは一体ッ……いや、それ以前に」

[メイン] 第三の少年 : 「───URYYYYYY…………」

少年はそのスタンドに呼応するように、否、まるでこの少年が操っていたかのように、遠くへと飛んでいった。

[メイン] ジョジョ : その時ジョジョに蘇る、
かつての『親友』と拳を交わした記憶ッ!

[メイン] ジョジョ : 「……今の拳は……ディオ……?」

[メイン] エイハブ : 「ディオ───? まさか……あの『DIO』か?
 財団で聞いたことがある……1987年……空条承太郎によって討たれた……」

[メイン] ジョジョ : 「何ッ!?」

[メイン] ジョジョ : ぼくの記憶と違う……
確かにディオはあの時……ぼくの腕の中に……
そして……船の爆発で……

[メイン] ジョジョ : 「ディオが……1987年に……?」

[メイン] エイハブ : 「───『DIO』は、あんたの首から下を"持っていき"
 100年間の眠りについていた、そして……俺とは違うが、いやむしろコイツが異端だが……」
妖刀を鞘に納め。

[メイン] エイハブ : 「スタンド、を持っていた」

[メイン] ジョジョ : 「……やっぱり、ディオは……」

[メイン] ジョジョ : ぼくは……ディオとの因縁に決着をつけることはできなかった。
それどころか、子孫にその後始末を任せてしまった……

[メイン] ジョジョ : 子孫だけじゃなく、スピードワゴンの遺した者たちにも、大きく迷惑をかけただろう。
ぼくが……彼との『友情』に幕を閉じれなかったばかりに……

[メイン] エイハブ : 「お前が今、受けた衝撃…………あれが『DIO』の物だとすれば
 あの"少年"の思念……そこに介入しているのは、間違いなく死んだはずの『DIO』だ」

[メイン] ジョジョ : 「……」

[メイン] エイハブ : 「お前と、そして俺と同じように……過ぎ去った『過去』が
 ゾンビのように……蘇ったのだろう。まるで……この世界自体が幻視(ファントム)を見ているように」

[メイン] ジョジョ : ……もしぼくが……許されるのならば……

[メイン] ジョジョ : ディオを受け止め切れなかったことが許されるのならば……

[メイン] ジョジョ : ぼくに今度こそ……ディオとの決着を付けさせてください……
彼との絡み合った運命を……今度こそ同じ場所で終わらせるために……

[メイン] ジョジョ : 「……スタンド」

[メイン] エイハブ : 「───ジョジョ

 そうだ。そして……スタンドは、"スタンド使いにしか見えない"」

[メイン] エイハブ : 「このアヌビス神は、厳密には俺のスタンドではない
 刀に宿ったスタンド……本体に依存しないスタンドだ
 だから俺にも、囁き以外は聞こえないし、見えない」

[メイン] ジョジョ : 「……見えない力……」

[メイン] ジョジョ : 「ぼくたちは『見えないもの』と戦わないといけないのかッ!」

[メイン] エイハブ : 「───いや、ジョジョ
 俺達はもうすでに『見えないもの』と戦っている」

[メイン] エイハブ : 「───『時代』だ」

[メイン] エイハブ : 「俺達の見た、そして生き抜いた『時代』からは変わってしまった『時代』
 ……だがその『時代』は、石仮面によって崩れかけている
 時代は見えない生き物だが、確実に」

[メイン] ジョジョ : 「『時代』……」

[メイン] エイハブ : 「スタンドも───その『時代』の生み出した生き物のようなものだ
 俺達は常に見えない物と戦い続ける。いや俺達だけじゃあない、万人がそうだろう……

 怖気づく事も、恐怖する事もないッ!」

[メイン] ジョジョ : 「そうだ……この『時代』に、あんなものが残っていてはいけないッ!」

[メイン] エイハブ : 「そうだ───俺達は見えない物と戦う、そして見えない物を守り続ける

 その為に、『石仮面』を破壊する……それが俺の任務であり、お前の……
 人生を『マイナス』から『ゼロ』へと向かわせるッ!」

[メイン] ジョジョ : 「ああ……行こう……」

[メイン] エイハブ : 「───ああ」

───蛇は『星』を見上げながら、再び歩を共にする。

[メイン] エイハブ :  

[メイン] エイハブ :  

[メイン] エイハブ : 「───……」

失ったはずの、何かが          ファントムペイン
いまだにあると感じる……その代表的な物が「幻肢痛」

[メイン] エイハブ : 俺も、ジョジョも……
この世界の見せる幻視によって、「幻肢痛」に悶えている。

[メイン] エイハブ : …………

[メイン]   : 「メディック! 罠だ、人間爆弾か!」

「───ウオオオオオオオオッッッッ!!!」

「よせぇ───!」

[メイン] エイハブ : …………俺の脳裏に過ぎる、記憶。

だが何故か、その記憶は第三者が見たように僅かに遠く。

[メイン] エイハブ :
        スタンド
俺は、ジョジョの傍で、再び黙っていた。

[メイン] ジョジョ : 「……」

[メイン] ジョジョ : ぼくもまた、何か奇妙な感覚を感じていた。
ディオの気配もあるのかもしれない。

[メイン] ジョジョ : だがそれ以上に……
『ぼく』が近くにもう一人いる。

[メイン] ジョジョ : そんな感覚が拭えない。

[メイン] ジョジョ : これは……スタンドなのか……?

[メイン] エイハブ : 「───ジョジョ
 おかしな事を訊くかもしれないが、お前は……何かを失ったことはあるか
 …………俺"も"ある」

[メイン] ジョジョ : 「……ぼくは……」

[メイン] ジョジョ : 咄嗟に、過去を振り返って

[メイン] ジョジョ : 「……ある。だけど、それ以上に多くのものを貰ったよ」

[メイン] エイハブ : 「───そうか

 俺は……」

続けようとした、その時だった。

[メイン] マキマ :  

[メイン] マキマ :  

[メイン] マキマ : 「初めまして」

[メイン] ジョジョ : 突然話しかけられ、咄嗟に体勢を正して

[メイン] ジョジョ : 「あ、初めましてッ!」

[メイン] エイハブ : 「───……」
声をかけられ、俺はそちらを見る。

[メイン] ジョジョ : 「……えっと、貴女は?」

[メイン] マキマ : 「すみません、ちょっといいですか?私は仮面と赤石を探しに来た公務員なんですが」

[メイン] マキマ : 「見つからないので私に協力してください。」

[メイン] マキマ : 「これは命令です」

[メイン] エイハブ : 俺と同じ───SPW財団のエージェント、ではないか
 "公務員"……国家をあげての捜査か、至極当然だが……?

[メイン] ジョジョ : ……!

[メイン] ジョジョ : 何かおかしい……

[メイン] ジョジョ : 公的な人だし……
ただの変わったお願い事に思えるけど……

[メイン] ジョジョ : それ以上に、彼女の言葉からは不思議な『魔力』を感じるッ!

[メイン] アヌビス神 : !! なんだこの『女』
まるで深海を覗き見ているような……そんな───

[メイン] アヌビス神 : ───エイハブ!!

[メイン] エイハブ : 「───……」

これは。

[メイン] マキマ : 「どうしましたか?」

[メイン] エイハブ : 目を、合わせてしまった。
そして、聞いてしまった。

[メイン] エイハブ : 「───……わかった」

[メイン] ジョジョ : 「……」

[メイン] エイハブ : ───これは、俺の意思で吐いた"承諾"ではない。

『命令』によるもの……!

[メイン] ジョジョ : その『言葉』に違和感を覚えながらも……
……しかし、ここでその『何か』を口に出すのは……

[メイン] ジョジョ : 「……わかりました。目的は同じです」

[メイン] エイハブ : ジョジョは、この術にはかかっていないようだ。
彼は本心から承諾したのだろう。
だが───マズい……! 何かがマズい……

[メイン] マキマ : 「えぇ、私達の目的は同じです。私はマキマと言います」

[メイン] マキマ : 「よろしくお願いします」

[メイン] エイハブ : 「俺は───エイハブ

 コードネームは……ヴェノム・スネーク。よろしく頼む」

[メイン] エイハブ : 零れるように、口からぽつぽつと、淡々と。
俺の意思に反して。

[メイン] エイハブ : 「SPW財団の所属だ、そこでエージェントをしている
 目的は赤石と石仮面の回収、あるいは破壊だ」

[メイン] マキマ : 「ふむ、そうでしたか。よろしくお願いします。スネーク。それで貴方は?」

[メイン] ジョジョ : 「……ジョナサン・ジョースター」

[メイン] ジョジョ : 「みんなからは『ジョジョ』って呼ばれているよ」

[メイン] マキマ : 「ではジョジョ、貴方もよろしくお願いします。」

[メイン] エイハブ : 「…………」
睨みつける事すら、ままならない。
───たった一言でも、俺の、本心から"訊く"方法は……

[メイン] エイハブ :  

[メイン] エイハブ : 俺は、刀を引き抜き───

それを『右手』で握りしめた。

[メイン] エイハブ :  

[メイン] エイハブ : 「おい───女」

[メイン] ジョジョ : 「!」

[メイン] ジョジョ : 隣の……エイハブの雰囲気が変わったッ!

[メイン] エイハブ : 目を合わせないよう、目を閉じ───
耳も、なるべく澄ませないよう

[メイン] エイハブ : 「単刀直入に訊く……アンタは回収した『石仮面』と
 並びに『エイジャの赤石』をどう処理する?」

[メイン] エイハブ : 「───”破壊”か?」

まるで、それだけしか選択肢を与えないように。

[メイン] マキマ : 「…………回収ですが」

[メイン] エイハブ : 「……回収した、その"後"の話だ
 お前が決める事じゃあないのか? 公務員らしいからな
 だがそれにしたって、どう考えたって"破壊"が筋だろう」

[メイン] マキマ : 「それもそうですね。ですが…破壊するかはどうかは回収してから考えたほうがいいでしょう」

[メイン] ジョジョ : エイハブは……いや、エイハブに憑いているそれは……
確実に、何か確信を持ってこの女性を疑っているッ!

[メイン] エイハブ : 「そうか、ならば……『コイツ』にかけた
 そして……このジョジョとかいう坊主にかけようとした
 『命令』とやらを取り消してもらおうか」

[メイン] アヌビス神 : 「───NOとは言わせん」

[メイン] マキマ : 「いいでしょう。取り消しましょう」

[メイン] アヌビス神 : …………"同じ"
他者を"支配"に置くタイプ、か……! やはり……!
だがスタンドとは違うッ……! なんだ、この何度かき分けても
眼の淵から雪崩れ込んでくるような"闇"は……!

[メイン] エイハブ : 「……その答えを待っていた」

[メイン] マキマ : 「ですが…貴方達は私に従うしかないのです。」

[メイン] エイハブ : 「…………ほお」

[メイン] マキマ : 「この国を、より良くするためにも」

[メイン] エイハブ : 「───国に尽くす、か」
刀が、義手の方へと戻ると、その目はまた静かに、そして重い物となり。

[メイン] アヌビス神 : ……これで一度きりだぞ、エイハブ……!

[メイン] ジョジョ : ……やはり、彼女の中には何か深い……
闇……いや、底知れないものがある……!

[メイン] エイハブ : 「できれば……この刀をこういった状況で振るいたくもない
 それに……ジョジョも、黙ってはいないだろう

 国をより良くする為、そうアンタが思うのは勝手だが」

[メイン] エイハブ : 「俺達の目的は"石仮面"の破壊……
 そこは曲げない……そして俺達の『意思』で動く」

[メイン] ジョジョ : 「……」

[メイン] マキマ : 「ふむ。」

[メイン] マキマ : 「では私も同行しましょう」

[メイン] マキマ : 「この目で、破壊される所を見るためにも。」

[メイン] エイハブ : 「…………そうか
 俺も、早計だった。アンタが考えを改めてくれた事、感謝する」
額に汗をにじませながら、刀を納める。鯉口を寛がせる事も、今はしない。

[メイン] マキマ : 「えぇ。今度こそ、よろしくお願いします。ジョジョ。スネーク。」

[メイン] マキマ : 右手を差し出す。

[メイン] エイハブ : ───……
俺は、ジョジョがその手を取る前に、一歩前へ踏み出し。

[メイン] エイハブ : 左手───『義手』で握手をする。

[メイン] ジョジョ : ……

[メイン] マキマ : 「………まぁいいでしょう」
不恰好ではあるが、握手が出来ましたから。

[メイン] ジョジョ : 「……時間は限られています。行きましょう」

[メイン] マキマ : 「えぇ、行きましょう。」

[メイン] エイハブ : 「ああ、そうだな───」
不格好になってでも、あの手を───どうしても触りたくなかった。
握らなかった方の、右手に汗が滲んでいた。

[メイン] エイハブ :  

[メイン] エイハブ :  

[メイン] エイハブ : 「───……石仮面も、スーパーエイジャも全く場所に見当がつかないな
 星の正確かつ詳細な落下地点は……SPW財団もまだ突き止めていないらしい」

[メイン] ジョジョ : 「……」

[メイン] エイハブ : 「どうした───ジョジョ」

[メイン] ジョジョ : さっきの感覚……
何処かで何かが弾けたような……

[メイン] マキマ : 「どうしたのかな」

[メイン] ジョジョ : 「……いや、なんでもない」

[メイン] ジョジョ : もしかして……
考えすぎだろうか……

[メイン] エイハブ : 「そうか───とにかく
 迅速に石仮面と赤石の回収……前者は『破壊』しなければ───」

『破壊』 そう、呟いたその時だった。

[メイン] マキマ : 「んー。気になるなぁ、遠慮せずに言って欲しいよ」

[メイン]   : 「ん〜?気になる言葉が聞こえたねェ〜」

[メイン] マキマ : 「おや。」

[メイン] 黄猿 : 現れたのは、黄色の服を纏う男

[メイン] ジョジョ : 「!」

[メイン] エイハブ : 「───!!!」
咄嗟に、銃口を向ける。
今、この瞬間にやっと気配を感知した。

[メイン] ジョジョ : 「あ、あなたはッ!?」

[メイン] マキマ : 指鉄砲にして。

[メイン] エイハブ : まるで、時間を止めたかのように
まるで、さっきまでそこにいたと言わんばかりに、男はそこにいた。

[メイン] 黄猿 : 「わっしは海軍大将黄猿って言うもんだよォ〜」
3人を見渡して

[メイン] 黄猿 : 「御三方、ちょっとお尋ねしたいんだけどォ〜」

[メイン] マキマ : 「何かな?」

[メイン] エイハブ : ……!! 海軍"大将"…………
一人はマグマ、一人は氷……そして一人は……

[メイン] ジョジョ : 「なんでしょう?」

[メイン] エイハブ : 「───……」

[メイン] 黄猿 : 「『石仮面』ってのはどこにあるか知らないかなァ?」

[メイン] エイハブ : 「…………それは俺達も、探している途中だ
 見つけ次第『破壊』するが……協力してくれるか?」

[メイン] 黄猿 : 「ちょうどこの宝石が嵌まるくらいの穴が空いてるらしいんだけどねェ〜」
エイジャの赤石を見せながら

[メイン] エイハブ : 「……何……」

[メイン] アヌビス神 : ───エイハブ! あれは……『スーパーエイジャ』じゃあないかッ!!!

[メイン] 黄猿 : 「『破壊』ねェ〜...あんたはSPW財団の人だろゥ?資料で見たよォ」

[メイン] マキマ : 「ふむ。」

[メイン] ジョジョ : あ……アレが『エイジャの赤石』ッ!?

[メイン] エイハブ : 「スーパーエイジャ……すでに海軍が回収……!!!」

なんだ、この……剽軽な態度の中にちらつかせる……妙な『殺気』は

[メイン] 黄猿 : 「そっちの人は公安の人だなァ〜...資料でも謎だらけだった...」

[メイン] マキマ : 「……………」

[メイン] 黄猿 : 「あと1人は知らないが...まあいいや」

[メイン] 黄猿 : 「公安とSPW財団にはすぐに通達がくるよォ」

[メイン] エイハブ : 「───どんな通達が、だ」

[メイン] 黄猿 : 「この件は海軍が引き継ぐ、即刻君達は手を引きなさいって通達がねェ〜」

[メイン] マキマ : 「そうでしたか。」

[メイン] エイハブ : ……海軍……その裏……"世界政府"だな……
天竜人によって樹立と言っても過言ではない。

[メイン] エイハブ : 「…………そうか。」

[メイン] ジョジョ : ……
この件は引き継ぐ……
果たして信用できるのかッ……!?

[メイン] 黄猿 : 「なら、君達に戦う理由はないだろう?世界政府が石仮面と赤石は管理する」

[メイン] エイハブ : 「そうだな

 俺は───SPW財団のエージェントだが…………」

[メイン] 黄猿 : 「帰るといいよォ〜。今なら見逃すさァ〜」

[メイン] エイハブ : 「俺はエージェントである前に、自分の意思で戦っている」

[メイン] エイハブ : きっぱりと、そして目は逸らすことなく。

[メイン] マキマ : 「んー。ちょっとそれは。見逃せないかな」

[メイン] エイハブ : 「……この男、ジョジョの為にも」

[メイン] エイハブ : 「石仮面は、俺達の手で"破壊"する」

[メイン] エイハブ : 「アンタも協力するなら、同行してくれ」

[メイン] エイハブ : 「───でなければ、どうなる?」

[メイン] ジョジョ : 「……そうだ。あの仮面は、破壊しなければならないッ……!」

[メイン] マキマ : 「そうだね。破壊しないと」

[メイン] 黄猿 : 「断るんだねェ?どちらも、そちらの紳士も」

[メイン] 黄猿 : 「なら、」
体が光を纏う

[メイン] エイハブ : 「───ああ
 
 悪い事ではないはずだがな……!!!」

[メイン] マキマ : 「…ばん」

[メイン] エイハブ : やはり───『光』……
ピカピカの実の能力者。

[メイン] エイハブ : 「!!」

[メイン] 黄猿 : 「世界政府の名において、"正義"を執行するよォ〜〜!...っ...!」

[メイン] マキマ : 「ばん。ばん。」

[メイン] ジョジョ : 「来るッ!」

[メイン] 黄猿 : 不可思議!黄猿の体に大小様々な穴が開く!

[メイン] エイハブ : 指鉄砲───の筈が、その指先から放たれるのは
着弾までの『過程』がわからない、破壊。破壊。破壊。
だが……!

[メイン] ジョジョ : 「何ッ!?身体が……」

[メイン] エイハブ : 「───…………すでに『光』になっているな」

[メイン] 黄猿 : しかし、男は倒れず...!

[メイン] マキマ : 「んー。効いてないね」

[メイン] 黄猿 : 「おお〜〜...いきなりびっくりしたねェ〜」
穴が塞がる。無傷!

[メイン] エイハブ : これが、ロギア系……"スタンド"とは違う……!

[メイン] 黄猿 : 「今度はこっちだよォ〜」
足を3人に向ける

[メイン] ジョジョ : 身体が、光にッ!?
実体がないというのかッ!?

[メイン] エイハブ : だが……更に恐ろしい事があるとするなら

スタンドとは別の能力を有している為、スタンドを持っていても
「スタンドは一人につき一体」というそのルールすらすり抜けられる事。

[メイン] エイハブ : 「来るぞッ……!!!」

[メイン] マキマ : すかさず前に出る

[メイン] 黄猿 : 「吹き飛びなさァ〜〜い!」
足からレーザーを射出!

[メイン] マキマ : 身を盾にし、他の2人を守る。これが正しい選択かな。

[メイン] マキマ : 「………」

[メイン] 黄猿 : 「まずは一人目...」

[メイン] エイハブ : 「───……!!!」
スローモーションのようにすべての動きが鈍くなる
だが、敵は光……そこに彼女が。

[メイン] ジョジョ : 「なッ……!!」

[メイン] マキ/マ : 上下真っ二つになった身体。

[メイン] マキ/マ : 束の間…再生を始める。

[メイン] マキマ : 「うん。正しかったね。」

[メイン] 黄猿 : 着弾、確実に始末した手応え。
だが...

[メイン] アヌビス神 : やはり、この『女』……只者じゃあなかったッ!!!

[メイン] ジョジョ : バカなッ!!
彼女もまた人にない力を持っているのかッ!?

[メイン] 黄猿 : 「おっ〜〜〜とこれはァ...」

[メイン] 黄猿 : 「君も化け物じみてるねェ〜」

[メイン] エイハブ : 「行くぞ───散らばるんだ
 纏めて動く事はどうやら……心中行為だ」

[メイン] マキマ : 「お互い様じゃないかな?」

[メイン] 黄猿 : 「細切れにしたらどうかなァ〜?」
光の剣を生成する

[メイン] 黄猿 : 「『天叢雲剣』」

[メイン] エイハブ : ───光が形になっていく。
こんな芸当すらできるのか……"悪魔の実"……いや海軍大将は。

[メイン] マキマ : 「……………」

[メイン] マ/キ/マ : 物言わずバラバラになる。

[メイン] 黄猿 : 光の速度でマキマの眼前に移動!そして剣で切り刻む!

[メイン] マキ/マ : 瞬時に、

[メイン] マキ/マ : 瞬時に再生を果たす。

[メイン] マキマ : 「うん。」

[メイン] アヌビス神 : ───エイハブ。あの女の再生能力については何がなんだかわからねェー
だが……この「アヌビス神」……あの男の攻撃の性質を……『覚えた』ぞ

[メイン] エイハブ : 「……相手は光だがな」

[メイン] 黄猿 : 「ロギア系でもないのに...やっぱり化け物だ」
舌を巻く

[メイン] 黄猿 : 「後の2人はどうだい?かかってくるかァ?」

[メイン] エイハブ : 「───いや
 前線は"彼女"に任せよう……」
銃ではなく、スタングレネードを構える。

[メイン] エイハブ : 光とはいえ、視覚はあるはずだ。

[メイン] エイハブ : そして……耳をしばらく潰せるなら、なおさら確実。

[メイン] マキマ : 「さて……千年使用。」

[メイン] 黄猿 : 「...!おお〜これは...!!」

[メイン] マキマ : 大きな槍が現れ、黄猿へと降り注ぐ。

[メイン] エイハブ : 「…………血の槍……!!」

[メイン] 黄猿 : マキマへの対応、そしてスタングレネードを構えるエイハブに気を取られ...

[メイン] 黄猿 : 命中!血の槍が身体を貫く...

[メイン] マキマ : 「おや。当たりましたか」

[メイン] 黄猿 :

[メイン] エイハブ : スタングレネードを、ピンを引き抜き───男に投擲すれば
ジョジョに向かって、目と耳を塞ぐよう自分がそうしてみせる。

[メイン] 黄猿 : 「何度やっても無駄だよォ〜。」
音と光の衝撃の中、声が響く

[メイン] 黄猿 : 「わっしはロギア、自然系」
「覇気か、それとも闇の悪魔の実か」

[メイン] 黄猿 : 「それじゃなけりゃぁ、ダメージはない。」

[メイン] 黄猿 : 「無敵ってワケじゃないさァ。攻略してみるといいよォ〜」

[メイン] マキマ : 「闇の悪魔ですか。彼は使いたくないんですが」

[メイン] エイハブ : ───目か、耳すらも潰れてないのか
ロギア、しかもそれを使いこなしている人間を相手にするのは
"初めて"だが……!

[メイン] エイハブ : 「───だが」
仮に、仮にだが。

[メイン] エイハブ : "あれ"だけは、『光』にはならないはずだ。
いや、正確にはヤツ自身が"光"となって移動、防御をしていない間は
"あれ"だけは『実体』があるはず。

[メイン] エイハブ : 「───二人とも、俺は時間を止める事も早める事も元に戻すこともできないが」

[メイン] エイハブ : 「時間を”稼ぐ”事はできる」

[メイン] エイハブ : 「───時間を稼いで……隙を窺う」

[メイン] 黄猿 : 「...何かやる気だねェ〜」
エイハブに注意を向ける

[メイン] エイハブ : 「その間に……良いな」
悟られてはならない、だから肝心な部分は口にはしない。

[メイン] エイハブ : 「───来るかッ!!!」

[メイン] 黄猿 : 「何かやる前に、これを食らってもらうよォ〜」
エイハブの正体に達、背後に光球を配置する

[メイン] エイハブ : 左腕を構えようと───した途端。

[メイン] 黄猿 : 影が伸びる、不気味なほどに、

[メイン] エイハブ : 「ぬ、ぐぅっ……!!?」

[メイン] アヌビス神 : マズい……! これは『セト神』ッ!!?

[メイン] セト神 : そして影には眼がついて...

[メイン] アヌビス神 : 触れるな───エイハブ……!!!
そいつに触れれば……!!!

[メイン] 黄猿 : 「『スタンド』だよォ〜?SPW財団なら知ってるよねェ〜」

[メイン] マキマ : 「ふむ。」

[メイン] エイハブ : 「───ウオオオオオオオオオッッッッ!!!!」
影に触れる。

その時間、2秒から3秒。

[メイン] エイハブ : …………。

[メイン] エイハブ : 何が、起こった?

[メイン] エイハブ : ───間違いない、俺の身体には何かが起こり
そしてその『異変』は第三者から見れば、明確だろう。

[メイン] エイハブ : だが、ダメージは無い。

ならば───……

[メイン] 黄猿 : 「...ん〜?なんだか...」

[メイン] マキマ : 「随分と」

[メイン] エイハブ : 「それだけか!」
咄嗟に走り出し、アヌビス神を引き抜く。

[メイン] マキマ : 「若返りましたね」

[メイン] アヌビス神 : エイハブ!? ───お前は……!?

全く、違う。
いくら若返ったにしても

[メイン] アヌビス神 : これは、おかしいだろ……!!

[メイン] 黄猿 : 「全く、別人みたいだねェ〜!」
光の剣を構える!

[メイン] エイハブ : ───アヌビス。頼んだ。

[メイン] アヌビス神 : ───ふんっ。

任されたぞ。

[メイン] エイハブ : 妖刀を振るい、"光"の剣と鍔ぜり合う。
本来───ありえるはずもないが、アヌビスの本来の能力か、あるいは精神力による物か。

[メイン] マキマ : 「では……ぱん、ぱん、ぱん」
横に回り込み、放つ。

[メイン] 黄猿 : 「......!なんで、覇気も無しに打ち合える!?」

[メイン] エイハブ : 「───俺は」

「絶~~~~~~~~~~~~~~~~~…………」

[メイン] エイハブ : 「対に負けんッッ!!! それだけだッ!!!」

[メイン] 黄猿 : 「...っ!これはっ...!」
身体に穴が開く!体制が崩れる!

[メイン] 黄猿 : 妖刀が光体を切り裂き、その懐から...

[メイン] 黄猿 : 赤石が、地面に落ちる!

[メイン] 黄猿 : 「...まずいねェ〜これは...」
たたらを踏み、二者の中心で切り裂かれた腹を押さえる

[メイン] エイハブ : 瞬時に、赤石を

その手に握りしめ───妖刀の輝きが……『スーパーエイジャ』へと吸い込まれていくと
その光が"スタングレネード"とは比べ物にならない、閃光を放ち。

[メイン] アヌビス神 : ───エイハブ。
最後は、お前自身の手で───俺だと……"殺"ってしまうかもしれないからなァ~~~!

[メイン] エイハブ :  

[メイン] エイハブ : 「───感謝するッ!!!」

[メイン] エイハブ :  

[メイン] 黄猿 : 「...光...この気迫はァ〜...」

[メイン] エイハブ : そのまま───アヌビス神が

虚空に、一閃を描き。

[メイン] エイハブ : 光が

 飛び散る───……

[メイン] 黄猿 : .......追いつかない

[メイン] 黄猿 : 光そのものである黄猿が、

[メイン] 黄猿 : 海軍大将、黄猿の反応速度が、

[メイン] 黄猿 : ただの剣の一振り、それに追いつかない...!

[メイン] 黄猿 : 光が、自身の影すら消しとばしていく

[メイン] 黄猿 : そのまま、分断された体は地面に倒れ...

[メイン] 黄猿 : 今度こそ、光に戻ることはない...!

[メイン] アヌビス神 : ───…………

[メイン] アヌビス神 : …………

[メイン] アヌビス神 : ……

[メイン] アヌビス神 : 「おい 黄猿」

[メイン] アヌビス神 : 「……本当は死んでねえんだろう」

[メイン] 黄猿 : 「......」

[メイン] マキマ : 「…………」

[メイン] エイハブ : 「……アンタは"海軍大将"だ」

[メイン] 黄猿 : 「ちょっとォ〜。これ以上老体に鞭打つきかァ〜?」

[メイン] エイハブ : 「……民草の為に、死ぬことはない
 命は"無駄"にしない…… アンタも"正義"の為に戦ったんだ

 "どっちつかずの正義"を全うしたアンタを、俺は殺せない。

 だから……アンタは"破壊"しない───」
スーパーエイジャを握りしめ


自分の中の"鬼"を───抑えた。

[メイン] 黄猿 : 「......ありがとうよォ〜。一兵士」

[メイン] 黄猿 : 黄猿は、重ねた

[メイン] 黄猿 : 頂上決戦で、大将赤犬に対し

[メイン] 黄猿 : 死をも恐れず、戦いを止めろと叫んだ、若き海兵を

[メイン] 黄猿 : 光の粒子が稼働を再開し、体を構成する

[メイン] エイハブ : ───そうだ、俺は一兵士。

俺は……もはや"ビッグボス"でもない
全てを終えたはずの……"老兵"だ。

1984年は、もう終わったんだ。俺は……1995年に───。

[メイン] 黄猿 : 「わっしの負けだ。そして、アンタらの勝ち」

[メイン] 黄猿 : その場に座り込む

[メイン] マキマ : 「さて……後は石仮面ですね」

[メイン] 黄猿 : 「上にはなんとか言っとくさァ〜。大将の言葉なら、それなりに権力はある」

[メイン] 黄猿 : 「なんで...あんたらが、破壊しろ」

[メイン] エイハブ : 「───」

俺は、黄猿を いや"海軍大将"に向き合い。

[メイン] エイハブ : 「……感謝します……!」

[メイン] 黄猿 : 「...エイハブって言ったかな...あんた...」

[メイン] エイハブ : 「……ああ、それが、俺の呼び名だ」

[メイン] 黄猿 : 「自分が老兵って顔をしてるから言うが...」

[メイン] 黄猿 : 「退役なんて、もったいない。お前が時代を作るんだよォ〜」

[メイン] 黄猿 : 「わっしを倒したお墨付きだ。...頑張るんだよォ〜」

[メイン] エイハブ : 「───本来、すでにあんたより先に退役してたはずだが……

 きっと、俺は……ジョナサン・ジョースターと共に……過ぎ去った過去を
 清算しに来た。作られていく時代が壊す……そんな過去を」

[メイン] エイハブ : 「だから……今の俺は」

[メイン] エイハブ : 「一人の軍人として、使命を、全うします」

"海軍大将"に頭を下げ、俺は───足並みを揃え、『石仮面』を探しに向かう。

[メイン] 黄猿 : 「...新しい時代の足音だねェ〜。サカズキ...」

[メイン] 黄猿 : 「マキマ...嬢さんも、行くといいよォ〜。」

[メイン] 黄猿 : 「あんたには...わっしのお墨付きなんて必要ねェか」

[メイン] マキマ : 「んー、そうだね。じゃあ、行こうかな。」

[メイン] 黄猿 : 「まぁ...人間の味方をしてくれることを祈るよォ〜」

[メイン] マキマ : 「私はいつだって人間の味方だよ。」

[メイン] 黄猿 : 「...嘘つきィ〜...」

[メイン] マキマ : 「…………………」
その場を立ち去る。

[メイン] 黄猿 : 2人の後ろ姿を見送り、空を仰ぎ見る

[メイン] 黄猿 : 既にDISCは無い。
あの一閃と同時に破壊されたのだ。

[メイン] 黄猿 : 余分な何かが無くなったような、初心を見返したような、晴々とした気分だった

[メイン] 黄猿 : 「始まるよォ〜..."新しい時代"が」

[メイン]   :

[メイン]   :

[メイン] 氷室 セナ :  

[メイン] 氷室 セナ :  

[メイン] 氷室 セナ : 怪我を処置しつつ、施設の装備などを整理して

[メイン] 氷室 セナ : 上層部に送り付ける始末書などを認めている

[メイン] テネブレア : 「ままぁ…………」

[メイン]   : その時、セナの通信端末が鳴る。

[メイン] 氷室 セナ : 「…ん?」

[メイン] 氷室 セナ : 端末を取り出して

[メイン] 氷室 セナ : 「どうも」

[メイン] エイハブ : 『セナ。こちらエイハブ……そっちはどうだ?』

『こちらは"スーパーエイジャ"の回収を完了した』

[メイン] 氷室 セナ : 「…エイハブですか」

[メイン] 氷室 セナ : 「成程、こちらでは殆ど確認できてなかったので朗報ですね」

[メイン] 氷室 セナ : 「こちらでは過去確認された"ザ・ワールド"と交戦、退けました」

[メイン] エイハブ : 『これで……最悪"究極生物"をこの目で拝む羽目になる事は避けられる……あとは"石仮面"だ……』

[メイン] エイハブ : 『……!!? ザ・ワールドだと』

[メイン] 氷室 セナ : 「理由は定かではありませんが…ええ」

[メイン] 氷室 セナ : 「この目で確認しました、時間の停止も同様」

[メイン] エイハブ : 『そうか───……こちらも、ザ・ワールドと交戦した
 おそらくアンタの前に、だが……』

[メイン] 氷室 セナ : 「…成程、あの破壊の後はそういう事ですか」

[メイン] エイハブ : 『そして……セナ。
 スーパーエイジャの確認がてら、アンタに見てもらいたい人物が一人……』

『そして公的な協力者を一人得た。果たして素性は知れているというべきかわからないが……どこかで落ち合うべきだろう、どうする?』

[メイン] 氷室 セナ : 「…こちらの施設には現在スタンドに覚醒した一般人が二人と…その」

[メイン] 氷室 セナ : 「スタンドにより精神疾患を発症した患者を一人回収しています」

[メイン] 氷室 セナ : 「持ち場を離れるのが難しいので、こちらに落ち合えますか?」

[メイン] エイハブ : 『そうか───ご苦労だった』

『わかった、そちらで落ち合おう。
 …………ところでセナ……さっきから"声"がするが、それが精神疾患を発症した患者か?』

[メイン] 氷室 セナ : 「はい」
きっぱり

[メイン] 氷室 セナ : 「…何分、色々こちらも仕事が詰まり手が回り切ってません」

[メイン] エイハブ : 『……ハハハ』
向こうで、微かに笑い。

『了解した───OVER』
そう言って、通信を切る。

[メイン] 氷室 セナ : 「失礼します」

[メイン] 氷室 セナ : そのまま端末を仕舞い

[メイン] 氷室 セナ : 「…はぁ」
ひと際深い溜息を吐くのだった

[メイン] 氷室 セナ :  

[メイン] 氷室 セナ :  

[メイン2] エイハブ :  

[メイン2] エイハブ :  

[メイン2] エイハブ : 「…………」
通信端末のオプションを開き、電子タバコの先端を端末から噴き出た立体映像に潜らせれば
それは"起動"した。

[メイン2] エイハブ : 煙を吸い、口の中で楽しめば
それをフゥーッ、と虚空へと溶かしていく。

[メイン2] エイハブ : 俺達が交戦した、ザ・ワールド……"DIO"はセナ達の手で、葬られた事。
そして、SPW財団本部と一時通信不可能となっていたが、すぐに回復した事を知った。

[メイン2] エイハブ : 「…………"ボルサリーノ"」
海軍大将としての口利き、口添え。
SPW財団は世界政府からの圧力を鼻から跳ね返す気だっただろうが、最悪、世界政府直属からの実力行使となっていたはずだ。

───感謝、だな。

[メイン2] エイハブ : それにしても、セナの傍にいたあの女は……
"セト神"の影響を受けていたのだろう、だがスタンドはDISCを一閃。破壊したはずだ。
"影響"がまだ残っているというのだろうか、それは定かではない。

[メイン2] アヌビス神 : 「…………フフフ 久々に『口数』が少なくなったな、エイハブ」

[メイン2] エイハブ : 目を細め、鞘に納めている妖刀へと目をやる。

[メイン2] エイハブ : 「お前は最初に会った頃から、随分とフランクになったもんだ」
ニヤリと口角を上げ、再び煙を味わう。

[メイン2] アヌビス神 : 「───……
 エイハブよ かつてお前は『静寂』そのものだったが、変わったな」

[メイン2] エイハブ : 「…………"静寂"か」
フゥー、と煙を吐き。虚空へと溶かしていきながら
灯っていた光を、消す。

[メイン2] エイハブ : 「…………」

[メイン2] エイハブ :  

[メイン2] エイハブ : ……

彼女は、「クワイエット」でいたかったわけではない。

[メイン2] エイハブ : 「言葉」を使いたかったんだ。

[メイン2] エイハブ : 「共通の言葉」を使い
気持ちを───伝え合いたかった。

彼女はそう言っていた。

[メイン2]   : 私に、与えられた言葉は
「報復」だった。

[メイン2]   : でも、私が彼らと共有した言葉は

いや

それは言葉ではなかった───…………

[メイン2]   : だから
私は彼らに感謝の言葉を使い

[メイン2]   : また『静寂』に変えるのだ……。

[メイン2]   : 私は"クワイエット"

私は……

[メイン2]   :


言葉ではない。

[メイン2] アヌビス神 : 「…………オイオイオイ! いきなり黙りこくってどうしたんだ! エイハブ!」

[メイン2] エイハブ : 「───……」
俺は、そのまま空を見上げる。

[メイン2] エイハブ : 今にも……落ちてきそうな満天の星空が広がっていた。

[メイン2] エイハブ : 「俺は……俺がそう思っている、そう信じているだけだが……
 彼女の分まで……勝手だが、口数を増やしただけさ」

[メイン2] アヌビス神 : 「───…………」

[メイン2] エイハブ : 「あの星空がいきなり全部降り注いだら、どうなるだろうな
 ───……」

[メイン2] アヌビス神 : 「フッ ハハハ ……あまり怖い事を言うな エイハブ」

[メイン2] エイハブ :  

[メイン2] エイハブ : 「───……」
口寂しいというわけではない。
だが、ただ何かに浸りたい。一心不乱に先ほど消したばかりの光を再び灯らせて
煙を味わい続けていた。

[メイン2] エイハブ : やけに静かだ。
まだ"石仮面"は見つかっていないというのに、茹だるような熱気はもはや消え去り……残るは手を悴む寒気。

[メイン2] エイハブ : だが───妙に落ち着かない。
後は"石仮面"だけ……DIOは再び、葬られた。
そしてスーパーエイジャも、今はセナが持っている。

[メイン2] エイハブ : 何か───俺達は、見落としているとでもいうのか?

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「あの」

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「少し、よろしいでしょうか?」

[メイン2] エイハブ : 「───」
声のする方に目をやれば、そこに立っていたのは
"メイド服"を靡かせる───女性だった。

[メイン2] エイハブ : …………カバーストーリー、そしてその実……避難命令は、まだ出ているはずだ。
逃げ遅れた、一般人?
この出で立ちで、そう思えるわけもない。

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「……『気が付いたら、ここに居まして』」

「『案内を頼めるでしょうか?』」

[メイン2] エイハブ : 「……」
少し、間をおいて。

[メイン2] エイハブ : 「───具体的にはどこに、あるいはどんな所に"案内"してほしいのか
 …………『訊こう』」

妙に『強調』されるが、眉を僅かにひそめる事もなく
こちらも『強調』して返す。

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「そうですね……どこに、と訊かれると困りますが」

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「……『親族の遺骨がある場所』、ですかね」

[メイン2] エイハブ : 「───アンタの親族、か
 ここらに『墓地』も『納骨堂』もなかった筈だが……」

[メイン2]   : ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

   ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

[メイン2] エイハブ : 「『アンタの親族の名を訊いても良いか』」

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「……」

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「『ブランドー』」

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「『ディオ・ブランドー』」

[メイン2] アヌビス神 : ───!!?

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「そう聞いています」

[メイン2] エイハブ : 「…………」
電子タバコの灯りを消すと、それをしまい込み。
彼女を凝視する。

[メイン2] エイハブ : 「ディオ」

[メイン2] エイハブ : 「イタリア語で……"神"を意味する。
 ……D(ディー) I(アイ) O(オー)……」

[メイン2] エイハブ : 「…………その男は

 同姓同名でなければ」

[メイン2] エイハブ : 「『先ほど───SPW財団によって葬られた』」
正確には、そこに所属する"セナ"と、その協力者によって。

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「そうですか」

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「私が聞いてるのはッ!!!『そいつの遺骨』がドコだって聞いてんだよこのタコッ!!!!」

[メイン2] エイハブ : 「───俺は『オクトパス』じゃあない
 『スネーク』だ……」

そう言い、目を細めると───

[メイン2] エイハブ : 「『遺骨』は知らん
 葬った、それ以外に俺にはわからん」

[メイン2] エイハブ : DIOの『遺骨』───なぜ彼女はそれを求めているッ……?

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「タコだとかヘビだとか……貴方は国語の教師であらされるのでェ!?」

「『遺族』に対する『敬意』ってのがあるでしょォ~~~がァ~~~」

[メイン2] エイハブ : 「残念だが……国語は専門ではないんでな
 それに『敬意』をはらおうにも……敵意剥きだしと言わんばかりの『態度』を
 取られては───そうもいかん、だろう?」

[メイン2] エイハブ : 「その『遺骨』をどうするか
 今度はこちらから『質問』させてもらおうか」

[メイン2] エイハブ : 悴みかけていた手に、汗が滲み始める。
そして、寒気さえも忘れるほどに───茹だる熱気……という幻視。

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「さあね。私にもよくわからないわ」

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「……だけどね、なぜかどうしても『欲しい』のよ。知りもしない家族に情でも沸いてるってのかしら?笑えるわ」

[メイン2] エイハブ : ……『引力』だというのか これが……。
知りもしない家族に 情を沸かせている?
本当にそうだというのか……!? だが彼女がディオの関係者だとするなら……

[メイン2] エイハブ : この施設の中に入らせる事は

───間違いなく『マズい』

[メイン2] エイハブ : ジョジョ……ジョナサン・ジョースターと会えば……
あるいはスーパーエイジャを、その目に捉えた時。
どう出るか 俺には……『恐ろしい』

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「それでッ!!『遺族』への『配慮』はどうなったのよッ!?まさか『ディオ・ブランドー』だからって理由で父親の骨も見せてくれないんじゃあないでしょうね、ヘビの叔父様ァ~~~」

[メイン2] エイハブ : 「……『遺族』への『配慮』だと?
 ここに無い物を見せて アンタが納得するか? しないだろう……
 ……だが あの男が葬られた現場なら 俺には検討がつくがな

 ブランド―の親族だけあって『血気盛ん』だな………落ち着く事だ」

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「じゃあ『案内』してもらいましょうか……その『現場』にッ!」

[メイン2] エイハブ : 「ああ……だがッ!!!」
バッ、と走り出し。

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「?」

[メイン2] エイハブ :
  レース
「『競争』だ……

 仮に『遺骨』が存在するなら、それを『回収』せねばならん
 この俺が、先に……」

[メイン2] 十六夜咲夜 :
   レース
「『競争』ねぇ」

[メイン2] エイハブ : 「アンタの行動原理はあまりにも不可解だ……

 『遺骨』は確実に回収し……粉砕して───渡してやる」

[メイン2] エイハブ : 「見つからなければ…………

 それはそれで『幸い』だがな…………」

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「相手の『能力』も把握せずに安易な勝負を仕掛けるのは」

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「少し、愚かなんじゃないかしら?」

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「……『ルナ・ダイアル』」

[メイン2] 十六夜咲夜 : 瞬間、その姿がそこから消えて

[メイン2] アヌビス神 : 「!!! エイハブ───あの女が消え……」
見えなかったッ!! 動きが……

[メイン2] 十六夜咲夜 : エイハブの走る『先』に現れる

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「追いつけるかしら?」

[メイン2] エイハブ : 「ッッ!!! ───速いな、いや……『スタンド能力』……か?」
悟られないよう通信端末を『ON』にするッ!!!

[メイン2] エイハブ :  

[メイン2] エイハブ : 『DIOの関係者と交戦中───』

『場所は……いや、俺と女の向かう先は……』

[メイン2] エイハブ : 『ザ・ワールドが葬られたエリアだッ!!』

[メイン2] エイハブ :  

[メイン2] 十六夜咲夜 : ルナ・ダイアルにスタンドの『ビジョン』はない

[メイン2] 十六夜咲夜 : これは彼女が、『幽波紋』を知らぬ頃から共にあった『能力』

[メイン2] 十六夜咲夜 : 明確な『ビジョン』を持たぬ代わり

[メイン2] 十六夜咲夜 : その単純な『能力』は

[メイン2] 十六夜咲夜 : 『DIOの世界』を軽く越える

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「貴方の時間も、私のもの」

[メイン2] エイハブ : 「俺の時間が───アンタの『物』だと……!!!
 ……『DIO』と繋がりのある者らしいな」

[メイン2] エイハブ : 「アンタも……『時間』かッ!!!」

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「ええ。……『も』?」

[メイン2] エイハブ : 「───『競争』がてら……
 話してやろうか アンタ───お前を引き寄せる『DIO』のスタンドを」

[メイン2] エイハブ : 「ヤツは……『時間』を止めた
 ……お前も同じか───同じタイプのスタンドか」

[メイン2] エイハブ :
      ザ・ワールド
「名は───『世界』」

[メイン2] 十六夜咲夜 : 「そう……」

[メイン2] 十六夜咲夜 : ザ・ワールド。

[メイン2] 十六夜咲夜 : 彼女は内心驚いた。
自分が名付けた『符』と同じ名が聞かされたから。

[メイン2] 十六夜咲夜 : 無意識に、自分は血に縛られていたのかもしれない。

[メイン2] エイハブ :
    レース
熾烈な『競争』は始まった。
この夜空の下を駆ける『蛇』と『血』───。


 "運命"に縛られた者同士の、競争劇が。

[メイン2] エイハブ :  

[メイン2] エイハブ :  

[メイン] エイハブ :  

[メイン] エイハブ :  

[メイン] エイハブ : 「───時間を……止めたのか?
 あの女は……それだけだと信じたいが」
鯉口を寛がせていた───アヌビス神に、『義手』で触れる。

[メイン] 十六夜咲夜 : 「にしても、厄介ね」

[メイン] エイハブ : 「───何だと?」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「『能力の種』が割れているというのは」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「知られてさえいなければ、能力を『見抜く』前に仕留めることだって出来る。私の能力は『そういう』タイプの力よ」

[メイン] エイハブ : 「だが
 いくら自分が引くのが『ジョーカー(ババ)』……だと目に見えて……わかっていてもだ
 絶対に引かなければならなければ 避けられず
 『ジョーカー』を引き
 抱え落ち……目に見えた『敗北』に陥る…………」

[メイン] エイハブ : 「俺は確かにお前の能力を『見抜いた』が……

 お前はその、『絶対にババを引かせる』ぐらいの手練れだというのは
 わかる───」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「そう?評価されているようで嬉しいわ」

[メイン] エイハブ : ───アヌビス神。

牽制だ。『透過』!!!

[メイン] アヌビス神 : ───わかっている。

[メイン] 十六夜咲夜 : 「だけど」

[メイン] エイハブ : 「!!」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「自分の都合のいい方に考えようとするのは直した方がいいわね」

[メイン] 十六夜咲夜 : 指を鳴らす。

[メイン] エイハブ : !?

───何。

[メイン] 十六夜咲夜 : 途端、スネーク以外の全てが加速する。

[メイン] 十六夜咲夜 : ……いや。
彼の感じる『時間』が、長く長く、引き伸ばされているのだ。

[メイン] エイハブ : 馬鹿な

『時間停止』ではない、これは……俺以外の『時間』が急加速……いや
引き延ばされている。俺の時間が。鈍い。
緩やかな風すらも、俺の足に絡みついてくるほどに。

[メイン] エイハブ : だが───

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……あら。『こっち』は初見だったみたいね」

[メイン] エイハブ : 咲夜からして、ゆっくりと、だが
アヌビス神を───手元から

[メイン]   : ギャンッッ!!!

オォオオオ────ッッッッ!!!

[メイン]   : アヌビス神が
咲夜には『透過している』と悟られないよう、凄まじい速度で『回転』し
投擲される───

[メイン] 十六夜咲夜 : 「剣を投げ……?」

[メイン] エイハブ : 「こ……れ……も……

 『初見』

 …………だ………ろう」

[メイン] 十六夜咲夜 : 咄嗟にその場から消えるように、その軌道から外れて現れる

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……ヤケかしら?」

[メイン] アヌビス神 : ───フッ かかったなッ!!
そしてエイハブ……すまねえが

[メイン] アヌビス神 : 掠る程度なら『透過』は……『解除』するッ!!!

[メイン]   : アヌビス神は、エイハブの投擲方法によるものか
ブーメランのように───返ってくるッ!!!
そしてその進路は───

[メイン]   : 咲夜の『肩』を、掠ろうと───

[メイン] 十六夜咲夜 : 「ッ!?」

[メイン] エイハブ : 「ッ───」
アヌビスめ……だが、"通用"したか……俺のやり方も
この乱れ狂う『時間』にッ!!

[メイン] 十六夜咲夜 : 肩をかすめ、そのまま回って着地する

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……『二度』は通用しないわよ」

[メイン] アヌビス神 : 「『二度』通用しないのは……こっちの『台詞』だぜ」

[メイン] エイハブ : 「…………お前は、時間を止め、そして加速させる事すらできる
 俺にはそのどちらも、ましてや時間を遡らせる事もできん」

[メイン] エイハブ : 「だが……」

[メイン] エイハブ : 「『時間稼ぎ』はできた」

[メイン] エイハブ :  

[メイン] 十六夜咲夜 : 「『時間稼ぎ』……!?」

[メイン] 十六夜咲夜 : しまった……『遊びすぎた』……ッ!

[メイン] :

[メイン] : 「……あっちが、敵。」

[メイン]   : 狙いを定めて。指鉄砲を構え。

[メイン] マキマ : 「ぱん。」

[メイン] 十六夜咲夜 : 殺気。

[メイン] 十六夜咲夜 : 再びそこから姿を消して、別の場所に現れる

[メイン] 七七 : 「…………。惜しい。」

[メイン] マキマ : 「ありゃ。外れちゃった」

[メイン] エイハブ : 「…………来てくれたか、藪をつっついて蛇を出すのが好きなお嬢さんで助かった……」
咲夜を見て、ニタリと笑いながら膝をついて息を上げる。

[メイン] 七七 : 「……」

[メイン] 七七 : 「こっちは、味方。」

[メイン] エイハブ : 「ああ───聞いている 七七……『縁起』の良い名前だな
 『7』が『二つ』だ」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……新手が二人」

[メイン] マキマ : 「無事のようだね、スネーク」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「『遊びすぎた』わね」

[メイン] エイハブ : 「ああ───……」
マキマの右手を───生身の右手で触り、起き上がる。

[メイン] エイハブ : 「だが ここからは『遊び』じゃあない
 …………お前のその能力は『脅しの道具』じゃあない」

[メイン] エイハブ : 「そして……こっちも『同じ』だ
 『遊び道具』も『脅しの道具』も無い……」

[メイン] 十六夜咲夜 : 懐中時計を取り出す。

[メイン] 十六夜咲夜 : 先述した通り『ルナ・ダイアル』はスタンドビジョンを持たない

[メイン] 十六夜咲夜 : その引き換えに得た『父』を超えた『能力』

[メイン] 十六夜咲夜 : 『停止時間』は

[メイン] 十六夜咲夜 : 『無制限』

[メイン] エイハブ : ───『懐中時計』…………?

まさか…………
あれが『スイッチ』か……!!? いや早計か?

来る───…………

[メイン] エイハブ : …………

[メイン] アヌビス神 : …………

[メイン] 七七 : …………あの『DIO』と同じ能力なら。認識できなければ━━防御に回るしかない、はず。

[メイン] マキマ : ふむ…未来の悪魔。見せてごらん。

[メイン] 七七 : 素早く身体を『透明化』させ━━雌伏する。

[メイン] 十六夜咲夜 : 急激。かの男があの時展開した数を軽く越える数の『ナイフ』。

[メイン] 十六夜咲夜 : それが眼前に広がると同時に、彼女そのものは既に遠ざかるように駆け出している

[メイン] エイハブ : 「───!!!」
雨、否……『ナイフ』ッ!!!

[メイン] エイハブ : "アヌビス神"を───振るい
こちらへと迫ってきたナイフを、叩き落す……が
まるで先ほどの『お返し』でもされるかのように、肩を掠め……

[メイン] エイハブ : とうとう肩に深々と、突き刺さるッ!!!

[メイン] エイハブ : 「ッ───!!!」
DIO以上の……時間の"停止時間"を有する そう考えるしかない。

[メイン] 七七 : 「…………!!!」「グアゥゥ……!!!」
透明な『死骸』を楯に、すぐに身を隠す。

[メイン] 七七 : 「……大丈夫…?」

[メイン] エイハブ : 「───これは……」
透明な何かがナイフによって片側だけその輪郭を現しており……
七七も透明化しているのに気づき、その能力をすぐ様『理解』する。

[メイン] エイハブ : 「……助かった」
幼気な少女の手を取り、膝をつきながらも透明な何か越しに
駆けだした咲夜を見る───。

[メイン] マキマ : 「なるほど…未来で見た通りだったね。彼女の能力は…未来には特に影響は無さそうかな。」

[メイン] 七七 : 「……」
エイハブとマキマを交互に見て。

[メイン] 七七 : 「……あるの?勝算。」

[メイン] エイハブ : たとえ、『現場』に向かったとしても
『遺骨』をすぐに見つけられる可能性は薄い。
そもそも『無い』事も『あり得る』……

[メイン] エイハブ : 「俺に関しては一つだけ……だが引っかかってくれるかわからないが、な」

[メイン] マキマ : 「どうだろうね、彼を呼んでもいいけど…」

[メイン] エイハブ : 「───"彼"?」

[メイン] マキマ : 「私のヒーローとでも言っておこうかな」

[メイン] エイハブ : 「───そのヒーローを呼ぶ前に……一つ試そう
 …………七七、そして……マキマ」
初めて、その"女"の名を口にした───。

[メイン] マキマ : 「何かな」

[メイン] 七七 : 「なに?」

[メイン] エイハブ : 「───」
妖刀、アヌビス神を掲げる。
「コイツに触れれば…………たとえ『時間』をどれだけ操ろうと
 ……"効く"はずだ……まともな意識への濁流……」

[メイン] エイハブ : 「だが そう簡単に引っかかるとは思えない
 そもそも あの女はまだこの刀を"不可思議"とまでしか思っていないはずだ」

[メイン] エイハブ : 「俺の この刀を頼らざるを得ない"状況"に追い込みたい」

[メイン] エイハブ : 「…………その為に 二人でどうにか……"追い込んでくれ"
 きっとマキマ、そして七七の『能力』なら、できるはずだ

 そしてなるべく血は流さず解決すると、信じたい」

[メイン] 七七 : 「……」

[メイン] エイハブ : 「───……」

[メイン] エイハブ : 「『頼む』」
まっすぐな目で、七七を。

[メイン] マキマ : 「…仕方ありませんね。」

[メイン] 七七 : 「うん。追い込めばいいんだよね」

[メイン] エイハブ : 「ああ───『感謝』するッ!!」
立ち上がり、ニヤリと口角を上げる。

[メイン] エイハブ : 「俺は精々……あの女にとって、"攻略済み"の歩く武器庫と言わんばかりに振舞って見せるさ」
アヌビス神を再び、鞘に納め。

[メイン] エイハブ : ───駆ける。

[メイン] エイハブ :  

[メイン] エイハブ :  

[メイン]   : そして

とうとう咲夜には、それらしき『場所』が見えてくる。

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……あそこね」

[メイン] : 咲夜の前に、鼠が集まってくる。

[メイン]   : 人の高さまで、積み上がり。

[メイン]   : 出てくる。

[メイン] 十六夜咲夜 : 「何・・・?」

[メイン] マキマ : 「待っていましたよ。」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……貴方」

[メイン] マキマ : 「未来でここに来るのも見てました」

[メイン] マキマ : 「全て、想定通りですね。」

[メイン] マキマ : 「さて」

[メイン] マキマ : 「貴方の目的を聞いておきたかったのですが。」

[メイン] マキマ : 「『話して』くれますね」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……父の骨。それを、取りに来たの」

[メイン] マキマ : 「ふむ。それだけが目的とでも?」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「そ……それだけ。私だって、なんで取りに来たかも分かってなくて……」

[メイン] 十六夜咲夜 : (……待て。私はなぜこんなにペラペラと喋っている?)

[メイン] マキマ : 「………おや、着きましたか。」

[メイン] 七七 : 「……お話は終わった?」

[メイン] 七七 : 空中に座り込んだまま。

[メイン] エイハブ : 「───…………」
七七、マキマと違い───……好機が訪れるまで『ステルス』をする男が、一名。

[メイン] マキマ : 「えぇ。彼女は、誰かの命令で動いてる様ですね。」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……」

[メイン] 七七 : 「ふうん。」

[メイン] 七七 : 「じゃあ、悪い人じゃないなら……許す?」

[メイン] マキマ : 「彼女次第、になりますね」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……勘違いしないでくれるかしら。
 取りに来たのは……あくまで私の意志よ」

[メイン] エイハブ : "私の意思"…………
本当にその意思は……お前の"物”なのか……
いや、あるいは……。無意識的『好奇心』……『寂しさ』か……

[メイン] マキマ : 「ふむ…」

[メイン] 七七 : 「だって。」

[メイン] マキマ : 「では…拘束させてもらいましょうか。」

[メイン] 七七 : 「うん。」

[メイン] マキマ : 「蛇の悪魔。」

[メイン] 七七 : 「おいで。」
指の上に小さな虫たちがうじゃり、と。

[メイン] 七七 : ビスケットの時間だよ。
 「『limp biscuit』」

[メイン]   : 咲夜の背後から、奇妙な形をした蛇がやってくる。

[メイン] 十六夜咲夜 : ジャラ、と懐中時計を取り出して
押し込むと同時に姿を消す

[メイン] 七七 : ゆらり、とその姿が消える。

[メイン] マキマ : 「知っていますか?蛇から…スネークからは逃げられませんよ。」

[メイン] 十六夜咲夜 : 姿を別の場所に現して

[メイン] 十六夜咲夜 : 「それが貴方達のスタンド?」

[メイン] : 「…………答える意味、あるの?」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「あら、聞かせてもらっても」

[メイン] 十六夜咲夜 : 周囲に無数のナイフがばら撒かれ

[メイン] 十六夜咲夜 : 「いいんじゃないかしら!?」

[メイン] : 「………!!!」

[メイン] マキマ : 蛇の悪魔を通して、七七の位置を見分ける。

[メイン] マキマ : 簡単な話ですね。周囲とは違う温度を見つければいいのですから。

[メイン] : ざくざくとナイフの突き刺さる死骸たち。
次々とそれらに身を隠して、咲夜を観察する。

[メイン] : ……マキマにだけわかるように、透明なままこくりと頷いて。

[メイン] マキマ : さて。…あの瞬時の移動が厄介ですが。

[メイン] マキマ : 未来の悪魔で出現する位置はもうわかっているので…

[メイン] 十六夜咲夜 : 体術と、時間を停止させた移動を織り交ぜながら
無数の刃を散らす

[メイン] マキマ : さしたる問題ではありませんね。後ろです、蛇の悪魔。

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……何ッ!?」

[メイン] 蛇の悪魔 : 「ヒャハハハハァ!」

[メイン] マキマ : 「そうです。そのまま拘束に入りなさい。」

[メイン] 十六夜咲夜 : (回られた……どこに移動するかを読まれた!?)

[メイン] 蛇の悪魔 : 「僕の術で拘束させてもらうよ。」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……ざけっ……」

[メイン] 十六夜咲夜 : 咄嗟に指を鳴らそうとして

[メイン] 蛇の悪魔 : 印を結び。
「涅槃精舎の術!」

[メイン]   : 咲夜の辺りは、白い羽の幻影に覆われる。

[メイン] 十六夜咲夜 : 「何……ッ!?」

[メイン] 十六夜咲夜 : ……急に、何か……

[メイン] 十六夜咲夜 : 幸せな……感覚……が……

[メイン]   : この白い羽を見た者は、まるで桃源郷にいるかのような快楽に陥り、安穏たる眠りへと誘う。

[メイン] 十六夜咲夜 : 「…………」

[メイン] 蛇の悪魔 : 「これで終わり…だね。」

[メイン]   :  

[メイン]     : 『十六夜』

[メイン]     : 『咲夜』

[メイン] :  

[メイン] エイハブ : 「───」
終わった。出るまでもなかったな、と思おうとしたその時。
突如、走る───『悪寒』

[メイン] : 「…………!!」

[メイン]     : 『……』
『来たか……』

[メイン]     : ───刹那。

十六夜咲夜の額へと、引き寄せられたそれは───。

[メイン]     :


───DIOの額の『遺骨』

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……?」

[メイン]     : 突如、咲夜に雪崩れ込む───

『記憶』 それは

[メイン]     :  

[メイン]     : 『ディオ・ブランド―』

[メイン]     :  

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……」

[メイン] エイハブ : バカな……!!!

あれは───……!!?

[メイン] 蛇の悪魔 : 一旦離れ、マキマの所に戻る。

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……ディオ……ブランドー……」

「父さん……」

[メイン] : 「……?」

[メイン]     : 『恐れるな』

 『そして 引き込まれるな』

『私の声だけを聴けばよい……』

[メイン]   :  

[メイン] ザ・ワールド :

 ゥン

[メイン] エイハブ : 「───!!?」

[メイン] 十六夜咲夜 : 必要なものは『わたしのスタンド』である。

[メイン] 十六夜咲夜 : 『ザ・ワールド』

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……そう。『ザ・ワールド』」

[メイン] 蛇の悪魔 : 「マキマ様、どうやら彼女は……」

[メイン] ザ・ワールド : ───咲夜の『傍』に佇むそれは
ニタリと口角を上げ、その深紅の瞳を妖しげに光らせる。

[メイン] マキマ : 「そうだね。下がっていいよ。」

[メイン] 七七 : 「……あれは……」

[メイン] 蛇の悪魔 : 「了解しました…」
──姿を消す

[メイン]     : 『───乗り越えろ咲夜』
『恐怖を克服した者が……成長できる』
『そして……"支配"する事も』

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……お嬢様が言ってたのはこういうことだったのね」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「これが……これがッ!!!」

[メイン] エイハブ : 「『遺骨』が……彼女の『額』に吸い付いて……」

[メイン] エイハブ : 「そして───『世界』の"スタンドヴィジョン"が……彼女の傍に佇んでいる……
 俺の見た時よりも……その輝きが、嫌に増している……!!!」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「天国へ行く方法……完全に『理解した』わ」

[メイン] エイハブ : 「───『天国』……?」

[メイン] マキマ : 「ふむ……天国」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「そして、これからやるべき事も……」

[メイン] 七七 : 「……」

[メイン] エイハブ : 「…………」
いや、続ける。
なおさら……この刀に彼女が、触れなければならない。

[メイン] エイハブ : 俺は『ステルス』のまま
彼女へと接近する───まだ追い込め切れていないが
少しでも動かなければ……何か、まずいッ!!

[メイン] 十六夜咲夜 : 「そこかッ!!」

[メイン] エイハブ : 「───!!!」
ステルス、消音状態にも関わらず。
『気配』だけで───

[メイン] マキマ : この距離からは…私は間に合わないか。

[メイン] 十六夜咲夜 : 「『無駄』ァッ!!」

[メイン] エイハブ : 速いッ
アヌビス───を引き抜くよりも、遥かにその拳は……!!!

[メイン] ザ・ワールド :  

[メイン] エイハブ :  

[メイン] エイハブ : 死───……

[メイン] : ぼこん。

[メイン] : 柔らかい肉塊に、穴の開く音は━━まるで、既に腐っているようで。

[メイン] エイハブ : ───音。

その音の気味の悪い耳障りは、聞いたことがある。

[メイン] エイハブ : そう、あのナイフの雨霰……それを喰らいかけた時。

[メイン] エイハブ :  

[メイン] エイハブ : 七七───。

[メイン] : 「……だいじょう、ぶ?」

[メイン] エイハブ : 「ああ───『頼める』か……いや、二言はいらないな」

すでに『頼んでいる』のだから。

[メイン] 十六夜咲夜 : 「チッ……!」

[メイン] 七七 : 「……。」

[メイン] 七七 : 左脇腹に穴を開けたまま、そこに、立っている。

[メイン] 七七 : 「━━あなたは、敵」

[メイン] エイハブ : その───『静寂』とも言える出で立ち。
幼気な少女なはずだが、そうとも思えない……矛盾すら感じる神秘的な出で立ち。

[メイン] エイハブ :  

[メイン] エイハブ : ───クワイエット……。

[メイン] エイハブ : 俺は、もうその傍に立つ事のない者の名を、脳裏に過ぎらせながら
気配を、音を殺し、一旦離れる。
気配という『匂い』を、覚えさせないよう断ち切るように。

[メイン] 七七 : 「……。」

[メイン] 七七 : 「やってみなよ。」

[メイン] 七七 : 挑発するように。

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……『ザ・ワールド』ッ!!時よ止まれッ!!!」

[メイン] ザ・ワールド :  

[メイン] 七七 :              ・・・・
「そっちは、もう知ってる。上があるんでしょ?」

[メイン] 七七 : じっと咲夜を見つめ。

[メイン] 十六夜咲夜 : 『ルナ・ダイヤル』。
その『能力』そのものは『ザ・ワールド』を凌駕するもの。
ではなぜその『世界』が必要なのか。

[メイン] 十六夜咲夜 : 必要なのは、そのビジョン。

[メイン] 十六夜咲夜 : 彼女が、そして彼が『上』に至るためにした判断は

[メイン] 十六夜咲夜 : 『逃走』。

[メイン] 十六夜咲夜 : 狙いは、近くに存在するはずの

[メイン] 十六夜咲夜 : 『Dirty deeds done dirt cheap』

[メイン] 十六夜咲夜 : 次の瞬間、彼女はノーモーションで既に『走り出して』いる

[メイン] : 「……」

[メイン] : がしり。

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……!?」

[メイン] : 「『時を止める』……そして、『加速させる能力』……だったよね。」

[メイン] 七七 :   ・・・・・
「『生物以外を』」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「せ……生物以外……?」

[メイン] 七七 : ゆっくりと、その量の足を掴む手を実体化させる。

[メイン] 七七 : 「うん。あなたは自由に動けるのは、そういう能力━━だから。でも」

[メイン] 七七 : 「ナイフが動くのは、それがその瞬間……生きていないから」

[メイン] 七七 : 魂までは、時間で制御できない━━だっけ。

[メイン] 十六夜咲夜 : 「な、何を言ってるの?私の能力は……」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……っ、離しなさい……っ!」

[メイン] 七七 : 「……。」

[メイン] 七七 : 「……知ってる?エンバーミング。」

[メイン] 七七 : 「そこらの死体は朽ちちゃうけど、『キョンシー』はね。」
「長い年月でも、腐らないようになってるの。」

[メイン] 七七 : 「だから、あなたがどれだけ時間を止めて、飛ばしても━━」

[メイン] 七七 : 「……この手は、朽ちることなく━━離れない。」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……」

[メイン] 十六夜咲夜 : 止めれば?
力が弱まるわけじゃない。

[メイン] 十六夜咲夜 : 加速させて朽ちさせる……
彼女が前置きした以上それは無理……

[メイン] 十六夜咲夜 : 私を加速させ……
別に物理的に早くなるわけじゃ……

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……振りほどけない!?」

[メイン] 十六夜咲夜 : ……いや、違う!今の私にはアレが……!

[メイン] 七七 : 「……」

━━ああ。

[メイン] 七七 : これほどまでに『生』を渇望しているのに。
この『シタイ』が誰かの助けになるのなら。

[メイン] 七七 : 『運』められた『命』だなんて、クソ喰らえ。

[メイン] 十六夜咲夜 : 「『無駄』ァーーーーーッ!!!」

[メイン] 七七 : 「……。」

[メイン] 七七 : どれだけの拳が、脚が、襲い掛かかったところで。

[メイン] 七七 : ━━既に、それを反射的に離してしまうほどの……痛覚は、ない。

[メイン] 七七 : 「……うん。それをやめた時が、あなたの最期。」

[メイン] 十六夜咲夜 : 『ルナ・ダイヤル』

[メイン] 七七 : 「『我慢比べ』と行こうよ。」

[メイン] 十六夜咲夜 : 時間を、自在に操るその能力に

[メイン] 十六夜咲夜 : 『時を戻す』ものは、含まれていない。

[メイン] 十六夜咲夜 : 「うあああああッ!!!!」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッッ!!!」
必死に拳を叩き込んで……

[メイン] 十六夜咲夜 : ……あ。ダメだ。

[メイン] 十六夜咲夜 : あくまで、借り物の能力であるその『ビジョン』

[メイン] 十六夜咲夜 : それを得たばかりで、ここまで酷使して

[メイン] 十六夜咲夜 : 保つだけの『精神力』は、彼女にはない

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……私が」

[メイン] 七七 : 「……」

[メイン]     : 『咲夜』
『私がついている』

[メイン]     : 『───打ち込め』
『『拳』を……打ち込み続けろッ!!』
『私の『娘』だろう───?』

[メイン] 十六夜咲夜 : 「父さ……ッ」

[メイン] 十六夜咲夜 : この瞬間

[メイン] 十六夜咲夜 : 皮肉にも、脳内に響いた声に気を取られ

[メイン] 十六夜咲夜 : ……拳の雨が、綻んだ

[メイン] エイハブ :


───七七

[メイン] 七七 : …………。

[メイン] 七七 : ちゃんと、追い込ませた。
……だから、今度は━━『頼んだ』よ。

[メイン] エイハブ :

───"了解"した……!

[メイン] エイハブ : 突如、咲夜の死角から"現れる"
───もう一匹の"蛇"

その義手に握られていた妖刀を───

[メイン] エイハブ :  

[メイン] エイハブ : 咲夜の腕に

斬りつけるのではなく、ただ───添えた。

[メイン] アヌビス神 : …………

[メイン] アヌビス神 : 許せ、DIO様……。

[メイン] 十六夜咲夜 : 「っ!?」

[メイン] 十六夜咲夜 : もう一つの意識が、流れ込む

[メイン] アヌビス神 : 雪崩れ込ませるッ!!!

こっちも『我慢比べ』だ───…………!!!

[メイン]     : 『『アヌビス』───』

『キサマ……!!!』

[メイン]     : スタンドの精神力───そして能力による強制力。
それは侮りがたい物。

[メイン]     : たとえ、執念深い
深い、深い……あまりにも深い感情で『支配』しようとしても。

[メイン] アヌビス神 : 絶~~~~~~~~~~~~~~~~…………

[メイン] アヌビス神 : 対にッ!!!

負けないッ!!!

[メイン]     : 刹那、咲夜の額から───

[メイン]     :  

[メイン]     : 『遺骨』は弾け飛び、遠くへと……飛んでいく。

[メイン] マキマ : 「………………」

[メイン] エイハブ : 「……ハァーッ……ハァーッ……」
額から汗が滲むどころか、滝のように流れる汗。

[メイン] 七七 : 「…………」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……父さ……お嬢……様……」

[メイン] マキマ : 「お疲れ様でした。」

[メイン] 七七 : うつ伏せた姿勢で、終わりもわからぬまま両の脚を握っている。

[メイン] エイハブ : 「───大丈夫だ……

 『摘出』した」

[メイン] 七七 : 「……」

[メイン] エイハブ : しかし───『遺骨』はどこへいった?
…………見当たらない。あれほど目立つはずだというのに。

[メイン] 七七 : 「……終わったの?」
むくり、顔だけを起こして。

[メイン] エイハブ : 「…………まだだ
 だが……彼女は救われた、はずだ」

[メイン] マキマ : 「そうですね。では…戻りましょう。」

[メイン] 七七 : 「……離していいの?」

[メイン] エイハブ : 「ああ……これより『帰還』する……」
七七の方に目をやる。

[メイン] エイハブ : 「大丈夫だ。もう……"敵"じゃあない」

[メイン] エイハブ : 「ありがとう、七七」

[メイン] 七七 : 「……」
こくん。

[メイン] 七七 : ぱ、と手を解く。

[メイン] 七七 : やがて、ところどころ歪に凹んだ全身を起こして。

[メイン] 七七 : 「ばいばい。」

[メイン] 七七 : 二人の影をとてとてと追う。

[メイン] エイハブ : 「…………アンタ、名前は……訊いてなかったんでな」
ふと、立ち止まって咲夜に目をやる。

[メイン] エイハブ : 「『ブランド―』ではないんだろう」

[メイン] エイハブ : 「───いや……いい、それだけでもわかるのなら

 父親の事は忘れろ…………血の繋がりが、全てではない」

[メイン] エイハブ :
      サダメ
「その血の、運命を背負わなくてもいい」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……十六夜」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「十六夜咲夜……」
訳も分からず。名を聞かれたことだけを悟って。

[メイン] エイハブ : 「……十六夜 咲夜……

 アンタは、操り人形でも、殺人人形でもない
 『幻在』を見ていただけに過ぎない……」

[メイン] エイハブ : 「お前は、お前だ」

[メイン] エイハブ : 「…………」
そう言い残し、エイハブは七七と足並みを揃え
財団施設へと戻っていく。

[メイン] 七七 : ━━かしり、とペンが紙の上を走る音。

[メイン] 七七 : 「……覚えた。」

[メイン] 十六夜咲夜 : ……それを聞いて、微笑んで
眠るように、その場に崩れ落ちた

[メイン] マキマ : さて………飛んで行った遺骨はどうしましょうか。

[メイン] マキマ : 「………………」

[メイン] エイハブ : 「…………」
静寂。まるでそれは。

[メイン] エイハブ : 嵐の

前触れのように。

[メイン] エイハブ :  

[メイン] エイハブ :  

[メイン] 氷室 セナ :  

[メイン] 氷室 セナ :

[メイン] 氷室 セナ : 手元に、あるこのDISC

[メイン] 氷室 セナ : 本来なら、これは厳重に保管されるべき…だが

[メイン] 氷室 セナ : …私は、躊躇いなくそれを差し込む

[メイン] 氷室 セナ : 本来ならこれは命令違反も過ぎる、が

[メイン] 氷室 セナ : …私には、今は得られるならば力が───

[メイン] 氷室 セナ :  

[メイン] 氷室 セナ : ───我が心と行動に一点の曇りなし……全てが『正義』だ

[メイン] 氷室 セナ :  

[メイン] 氷室 セナ : 「……く」
軽くよろめく

[メイン] 氷室 セナ : ……今のは、アメリカ…いや、おかしい

[メイン] 氷室 セナ : ……"時代が違い過ぎる"…?

[メイン] 氷室 セナ : ふと視線をあげると、目の前には

[メイン] D4C : ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・

[メイン] 氷室 セナ : 「……アイツ」

[メイン] 氷室 セナ : 「一体、なんで……今あんな姿に…こんなものを持ってたのに」

[メイン] 氷室 セナ : 再び溜息を吐き

[メイン] 氷室 セナ : 記憶で見た事を、確かめるように

[メイン] 氷室 セナ : 先程寝かした部屋のドアに

[メイン] 氷室 セナ : その身を"挟み込む"

[メイン] 氷室 セナ : パタン

[メイン] 氷室 セナ : ドアが閉まれば

[メイン] 氷室 セナ : 何もなし…

[メイン] 氷室 セナ :  

[メイン] 氷室 セナ :  

[メイン] 氷室 セナ : パタン、今度は別の…施設のセナの自室で開閉音

[メイン] 氷室 セナ : 「…はぁ、はぁ…」

[メイン] 氷室 セナ : 少し息粗く、そのまま椅子に座り

[メイン] 氷室 セナ : 「…よもや、でしたが…」

[メイン] 氷室 セナ : 「"隣"…というのはそこまででした、か」

[メイン] 氷室 セナ : 鞄を開き、ごとんと

[メイン] 氷室 セナ : 複数のノート積まれた机に

[メイン] 氷室 セナ : 石の仮面と

[メイン] 氷室 セナ : 真紅の石

[メイン] 氷室 セナ : 「……」

[メイン] 氷室 セナ : 「最悪の場合、私の力で戻せばいい」

[メイン] 氷室 セナ : 「…それまでは、これの力を調べなければ」

[メイン] 氷室 セナ : 石を嵌めて、仮面を光に晒せば

[メイン] 氷室 セナ : ガチン、と

[メイン] 氷室 セナ : 鋭い針が

[メイン] 氷室 セナ : 「…吸血鬼も、屍生人も…」

[メイン] 氷室 セナ : 「人に戻る施術を…」

[メイン] 氷室 セナ : そのまま、仮面を置いて

[メイン] 氷室 セナ : 部屋のドアに鍵をかけるのだった

[メイン] 氷室 セナ :  

[メイン] 氷室 セナ :  

[メイン] 第三の少年 :  

[メイン] 第三の少年 : まるで───当然のように
"置かれた"仮面を、傍で見ていた。

[メイン] 氷室 セナ : 「…ッ!?」

[メイン] 第三の少年 : 「…………」
その髪は、逆立っており
同時に……そのマスクには。

[メイン]     :  

[メイン]     : ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

  ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

[メイン] 氷室 セナ : 「…貴方はッ!」

[メイン] 氷室 セナ : 瞬時に、対抗しようとするが

[メイン] 氷室 セナ : …隙、瞬く間の登場への動揺もあるが

[メイン] 第三の少年 : セナの額に向かって、手を───もたげる。

[メイン] 氷室 セナ : 二つのスタンドの感覚が、素早い対応を可能とせず───

[メイン] 第三の少年 : 傍で仮面が浮き上がると同時に

その額から───。

[メイン] 氷室 セナ : 「ッ、まさか!」

[メイン] 第三の少年 :
ヒュッ

[メイン] 第三の少年 : 少年と共に浮かび上がるは

スーパーエイジャ、石仮面…………そして『D4C』のDISC

[メイン] 氷室 セナ : 「…は、やい」

[メイン] 第三の少年 :  

[メイン]   : 少年は、そのまま音を立てる事もなく
ぱたんっと、目の前から消え去った。

[メイン] 氷室 セナ : ぐらり、と

[メイン] 氷室 セナ : スカイハイの何倍ものスタンドパワーを奪っていたソレを奪われ

[メイン] 氷室 セナ : 声をあげる事も出来ず、そのまま倒れ伏す

[メイン]   : その時、通信端末が
状況に似つかわしくないほどに微かに鳴る。

[メイン] エイハブ : 『こちらエイハブ』
『遺骨が消えたが────…………?』

[メイン] エイハブ : 『どうした!?』

[メイン] 氷室 セナ : 「…エイ、ハブ…」

[メイン] 氷室 セナ : 声が続かない、が

[メイン] エイハブ : 『───まさか』

[メイン] スカイハイ : その手に遅れながらも、スタンドを展開し

[メイン] ロレンチーニャ : 携帯に、群がり

[メイン] ロレンチーニャ : パチ、パチと

[メイン] ロレンチーニャ : 信号を打つように、放電する

[メイン] : [スタンド、仮面、赤い石]

[メイン] : [浮かぶ少年、奪取]

[メイン] : [私の責任]

[メイン] 氷室 セナ : そのまま、気絶すると

[メイン] ロレンチーニャ : 携帯に集まっていたソレは雲散霧消した

[メイン] エイハブ : 『…………!』

『…………セナ!!! セナ……』

気絶したであろう彼女に、もうその声は届かず。

[メイン] エイハブ :  

[メイン] エイハブ : 「…………」
通信を切り。

[メイン] マキマ : 「………?どうしたのかな」

[メイン] 七七 : 「……?」
不安げに覗き込む。

[メイン] エイハブ : 「何かスタンドと、……"石仮面"並びに"スーパーエイジャ"が盗まれた……!!!

 『空に浮かぶ少年』の手に……」

[メイン] 第三の少年 :  

[メイン] 第三の少年 : 「…………」

[メイン] エイハブ : 「!! ……アレだ」
麻酔銃で、狙いを定める。

[メイン] 七七 : 「…………っ……!!」
構えるも、先程の戦闘の跡で少しふらつく。

[メイン] マキマ : 「………………」

[メイン] ザ・ワールド :
 ウ
  ゥン

[メイン] ザ・ワールド : 「ジョジョッ───!!!」

[メイン] ザ・ワールド : 「久しぶりだな……『100年』振り…………と言ったところか」

[メイン] ジョジョ : 「……」

[メイン] 神原駿河 : 「……バカな、アイツはッ!?」

[メイン] 神原駿河 : 「セナが仕留めた筈だ、なんで…‥なんでここに、ザ・ワールドがいやがるんだッ!?」

[メイン] ジョジョ : 感じるッ!
見えなくとも……確かにここにいるッ!
ディオの……『精神』がッ!

[メイン] エイハブ : 「DIOは……『遺骨』にその残留思念を遺していた……!!!
 そして……先ほど再び交戦した……」

[メイン] ジョジョ : 「地獄から戻ってきたぞ、ディオ」

[メイン] ザ・ワールド : 「フッフッフッ……
 ジョジョよ 失われたはずの『過去』同士
 這い上がってきたようだな、褒めてやろう」

[メイン] ザ・ワールド : そのあまりにも巨大な手に、赤石の石仮面を握りしめ───

[メイン] ジョジョ : 「再び交戦した……
 ディオはここに来るまでに一度エイハブと戦っていたのかッ!」

[メイン] 神原駿河 : 「……待てッ!あの手元の品は…!?」

[メイン] ザ・ワールド : 「究極生命体を生み出したとされる、スーパーエイジャをはめ込んだ『石仮面』だ…………
 だが……柱の男でなければ、究極生命体にはなれない
 吸血鬼がこれを……装着しても その針の強さゆえ木っ端みじんとなるのみだ」

[メイン] ザ・ワールド : 「───フフフ……
 それにしてもジョジョ、お前に俺が見えているということは
 俺の力は、もはや『スタンド』をも超越し始めているという事ッ!!」

[メイン] 神原駿河 : 「ハッ!?」

[メイン] ザ・ワールド : 「───我が息子の一人は 矢によって……
 スタンドのその先へと向かった……」

[メイン] ザ・ワールド : 「ならば私は、この赤石の石仮面を」

[メイン] 神原駿河 : 「た、確かにジョースター卿に、スタンドが見えている、だが……まさか!!」

[メイン] ザ・ワールド : 「このスタンドに───!!!」

[メイン] ジョジョ : 「ディオ!きみが……きみがそうまでして目指す先には、何があるというんだッ!」

[メイン] 神原駿河 : 「あのザ・ワールドが、スタンドの法則を超えているとでも言うのか……!?」

[メイン] ザ・ワールド :
 オーバーヘブン
「『天国の外側』だ」

[メイン] エイハブ :
 アウターヘブン
「『天国の外側』だと……!!?」

[メイン] ジョジョ : 「『天国』……『天国の外側』だってッ!?」

[メイン] 神原駿河 : 「……くっ!!」

[メイン] ザ・ワールド : 「俺は『超越』するッ!!!

 ───貴様の ジョースター家の守り抜いた地でだァ!!!」

[メイン] ザ・ワールド :  

[メイン] ザ・ワールド : スッ

[メイン] ザ・ワールド :  

[メイン]   :


ジャギンッッッ!!!!!

[メイン] 第三の少年 : そのまま、第三の少年はゆっくりと地上へと降りていくと
まるで糸の切れた人形のように倒れる。

[メイン] エイハブ : 「───これは一体……!!!」
眩い閃光が、あたりを包み始める。

[メイン] ジョジョ : 「まさかッ!?」

[メイン] 神原駿河 : 「……これは、なんだ!?」

[メイン] ザ・ワールド : 「…………」

[メイン] 神原駿河 : 悪寒が、走る

[メイン] ザ・ワールド : 背後に、時を示す"時計"の立体映像のような物を浮かばせながら
その姿は、漆黒に染まる。

[メイン] 神原駿河 : 呼吸をするだけで、命が擦り減っているような嫌な感覚

[メイン] マキマ : 「…何やら不味そうですね」

[メイン] 神原駿河 : 『アレは、ダメだ』

[メイン] 七七 : 「…………!!」
それが降り立ったらしき地へと、脚を動かす。

[メイン] ジョジョ : ジャキ

[メイン] ジョジョ : 咄嗟にその場にあったリボルバーを構える

[メイン] 神原駿河 : 「───ッ!!」

[メイン] 神原駿河 : 「行けッ!!“牙”!!」

[メイン]   : その時。

満天の星空が───次々と空に『ひっかき傷』を残すように
落ち始めるッ!!!

[メイン] 七七 : 「…………!!?」

[メイン] 神原駿河 : 「──な、なんだァァ!?」

[メイン] 神原駿河 : 「空が、いやッ!!」
「星が落ちて来てるッ!?」

[メイン] ザ・ワールド : 「───『ジョジョ』
 生命の『支配』とはいろいろな物が存在するだろう」

「俺を一度は打倒した女は……心を通わせ
 俺とかつて対峙した男は……魂を支配したという

     マキマ
 そこの『女』も、支配する側だろう」

[メイン] マキマ : 「ほう。」

[メイン] ジョジョ : 「『支配』だってッ!?」

[メイン] マキマ : 「気付いていましたか」

[メイン] 七七 : 「…………」

[メイン] ザ・ワールド : 「ジョジョッ! そしてエイハブよ
 キサマらは、この星々のように降り注いできたのだ」

「わかるか」

「この落ちゆく星々全ては、失われたはずの『生物』
 そして……『この世界には存在しないはずの生物』も含まれている」

[メイン] ザ・ワールド : 「───増えていくのだ

 生命体がこの地球上に産み落とされていく事によって
 力の『解釈』というものがな」

[メイン] 神原駿河 : 「……オイ、まさか」

[メイン] ジョジョ : 「ぼくが……ぼくが今ここにいるのは……今『落ちてくる』星と同じ原理だっていうのかッ!」

[メイン] ザ・ワールド : 瞬間、ザ・ワールドは両腕の手首を合わせ
両手を、まるで花が咲くかのように広げる───

[メイン] ザ・ワールド : 「そういう事だァッ!!!

 死ねいッ!!!」

[メイン] ザ・ワールド : ───放たれるのは

『破壊』の限りを尽くす、巨大な閃光。

[メイン] 七七 : 「…………なに、あれ。」

[メイン] 神原駿河 : 「──ッact3ィィ!!」」

[メイン] エイハブ : 「!!? ウォオオオオオッッッッ───!!!!!!」

スタンドがこれほどのエネルギーを放てるというのか、これが……!!!
俺の身体は遠くへと吹き飛ぶ。

[メイン] ジョジョ :
メタルシルバーオーバードライブ
「銀色の波紋疾走!!!」

[メイン] act3 : 迎撃の為、『黄金回転』の爪弾を真っ向から撃ち込む

[メイン] ジョジョ : 波紋を流した弾丸がタンタンと音を二回鳴らして叩き込まれる

[メイン] ザ・ワールド : 「!! 向かってくるかッ!!
 だが……!!! 俺はこの降りゆく星々の『生物』の力を使えるのだッ!!!」

───

[メイン] ザ・ワールド : 帯電。

瞬間───弾丸を弾き飛ばす。

[メイン] ジョジョ : 「何ッ!?」

[メイン] 神原駿河 : 「なっ!?」

[メイン] エイハブ : 「……ッ……!!! ザ・ワールドは……『時を止める』スタンドの筈……!!!」

[メイン] act3 : 意図せぬ方向に着弾し、無限の回転は虚しく空を切る

[メイン] 神原駿河 : 「さ、先程手に入れたばかりだというのに……ッ!こうも圧倒されるとは…!!」

[メイン] ザ・ワールド : 「言ったろうッ!!!

 ───俺は全てを『超越』すると、これが俺の『支配』よォッ!!!」

[メイン] 七七 : 「…………こっちの全力が……虫けらみたいに。」

[メイン] ザ・ワールド : ───突然、ザ・ワールドのビジョンが一瞬揺らぎ
不気味な『オオトカゲ』が映し出され。

[メイン] ジョジョ : 「ッ!?」

[メイン] act3 : 弾丸の着弾跡を素早く自身の足元へ呼び寄せ、攻撃に備え始める

[メイン] ザ・ワールド : 高層ビルすらも容易に破壊する威力の風圧が───
四方八方へと飛ぶ。

[メイン] 神原駿河 : 「ッ!?」

[メイン] 神原駿河 : 勢いよく迫る風圧に備え、自身が誂えた“黄金回転”による穴に吸い込まれる

[メイン] ジョジョ : 「うおおッ」
その一撃が複数の傷をジョナサンの身体に付け吹き飛ばすッ!

[メイン] 神原駿河 : 「し、しまったっ!ジョジョ達は、この穴に入れないのか!?」

[メイン] 七七 : 「━━━━う」
猟犬の爪でしがみついていた小柄な体躯は、壁面へと叩きつけられ。

[メイン] ジョジョ : 「『ズーム』ッ!」

[メイン] ザ・ワールド : 次に浮かび上がるビジョンは───
あまりにも不気味な形容。

[メイン] ジョジョ : そのまま腕を伸ばし危険なものたちを回収ッ

[メイン] 神原駿河 : 「う、うおお!?」

[メイン] ザ・ワールド : シュンっ、と音を立ててれば
遠方の山が『蒸発』するかのように消え去る。

[メイン] ジョジョ : そのまま勢いを殺さず後方へ10mゲインしたッ

[メイン] 神原駿河 : 時間切れによる穴の消滅で、“回転”の中から放り出される

[メイン] ジョジョ : (関節を外した痛みは波紋で和らげる)

[メイン] 神原駿河 : 「……さ、さっきからメチャクチャだッ!?」

[メイン] ジョジョ : 「なんてことだ……」

[メイン] エイハブ : 「ッハァアアッ………クッ……!!!」
なんとか全てを躱す、これも他のメンバーの奮闘による命拾い……!

[メイン] ジョジョ : 「ディオは生物として、『吸血鬼』よりもさらに『上』のステージに到達してしまったのかッ!」

[メイン] ザ・ワールド : 「全ての『世界』ッ!!
 全ての『時間軸』ッ!!

 その生物があの星々に乗ってやってくる……だが途中で概念は燃え尽き
 俺の力となるのだ」

[メイン] 神原駿河 : 「……これが、スタンド盤の究極生命だと!?」

[メイン] 七七 : 「…………めちゃくちゃだ。生命なんてものじゃない」

[メイン] 神原駿河 : 「魂の分身、それだけの存在なのに……全てを焼き尽くす恒星以上のように、ドス黒く煌めいている!!」

[メイン] ジョジョ : ガシ、とその辺にあった槍を掴む

[メイン] ザ・ワールド : ドス黒い野望とそれを可能にする力を『癒着』させながら
ザ・ワールドが再び向かおうとすると

[メイン] ザ・ワールド : 「!! フフフ……『ジョジョ』ォ~~~……!
 槍で、何ができるッ!!」

[メイン] ジョジョ : 「あの時と同じだ」

[メイン] ザ・ワールド : 「たかが、そんな槍で───『あの時』のようにッ!!」

[メイン] ジョジョ : 「ディオ!きみをこの世にいさせちゃあいけないッ」

[メイン] 神原駿河 : 「ま、待て!?アレが相手では、槍ではどうにもならないッ!」

[メイン] ザ・ワールド : 「いいだろう 『一発分』だ
 それで気が済めば キサマをもはや吸血するまでもない
 運命を共にする事もない」

[メイン] ジョジョ : 「かたをつけるッ!」

[メイン] ザ・ワールド : 腕を広げ、こちらへと向かってくるジョナサンを見据える。

[メイン] ザ・ワールド : ───何が『精神の爆発力』だ
もはやそんなものを恐れる事もないッ!!! 槍を喰らったその瞬間に

[メイン] ザ・ワールド : この拳を叩き込み
地の染みにしてくれるッ!!!

[メイン] ジョジョ : ディオが『新たな力』を手に入れた時ッ!
かならず彼には『アレ』が生じるッ!

[メイン] ジョジョ : ダッと走り出し ザ・ワールドの傍に回る

[メイン] ザ・ワールド : 「───」
さすがだ。このザ・ワールドの動体視力をもってしても、素早い。
だが、それがどうした。

[メイン] ザ・ワールド : 別れの言葉でも、紡ごうか。

そう思った、その時だった

[メイン] ジョジョ : 槍をおおげさに振るうッ!
まるで突くのではなく縦に薙ぐようにッ!

[メイン] ジョジョ : 『槍』の使い方としては二流に見えたッ!

[メイン] ジョジョ : しかしッ!次の瞬間ザ・ワールドの目に入るのは何かはためくものッ!

[メイン] ザ・ワールド : 「───!!!
 『何』…………!!?」

[メイン] エイハブ : 「あれは───!!」

[メイン] 神原駿河 : 「──!?」

[メイン] 七七 : 「……え」

[メイン] ジョジョ : 『カーテン』ッ!

[メイン] ジョジョ : かつてジョナサン・ジョースターと『ディオ・ブランドー』が戦った時と同じッ!

[メイン] 神原駿河 : この時、何も思考できてなといなかったッ!
よもや、ジョジョがカーテンを用いて何をするかなど、理解できる筈がなかった!!

[メイン] ジョジョ : ザ・ワールドの視界と、身動きの自由を同時に奪うッ!

[メイン] ザ・ワールド : 『視界』を───だがそれがどうしたッ!!!
なまっちょろいッ……小賢しい真似をッ!!! 『あの時』と同じ

見損なったぞジョジョ───
この拳、やはりキサマに撃ち込んでみせよう。
消し飛べっ……!!!

[メイン] ジョジョ :
スカーレットオーバードライブ
「緋色の波紋疾走!!」

[メイン] ザ・ワールド : 「『無駄ァ』ッ────!!!!」

[メイン] ジョジョ : 『同じ』ならばッ!

[メイン] ジョジョ : これから起こることもまた『同じ』ッ!

[メイン] ジョジョ : 発火したカーテン!
ゆらめく炎に紛れ、その拳の軌道は間一髪逸れるッ!

[メイン] ザ・ワールド : ───この拳を……だがッ!!!
たかがそんな拳を喰らった所で……!!!

[メイン] ザ・ワールド :  

[メイン] ザ・ワールド : 瞬間───

[メイン] ザ・ワールド : ザ・ワールドの全身に

"一瞬"

[メイン] ザ・ワールド : 亀裂が───入った。

[メイン] ジョジョ : 「ッ!?」

[メイン] ザ・ワールド : 「何ィイイイッ───!!?」

すぐに『再生』するが、間違いなくその亀裂は入った。
その場にいる全員が、目撃したッ!!

[メイン] エイハブ : 「───仮に、全ての生物の能力を扱えるのなら……そうか」

[メイン] エイハブ : 「『克服』するまでは……すべての生物の『弱点』をも持っている……という事か……!!?」

[メイン] 七七 : 「━━『効いた』ッ!!」

[メイン] マキマ : 「ふむ……」

[メイン] 神原駿河 : 「そういうことかッ!」

[メイン] ジョジョ :
サンライトイエローオーバードライブ
「山吹色の波紋疾走!!」
波紋の流れる音と共に、ザ・ワールドに拳が叩き込まれ、大きく弾き飛ばすッ!

[メイン] ザ・ワールド : この『世界(ザ・ワールド)』は確かに
全ての生物の能力を有し、全てを"支配"せんとする究極の存在。
だがあまりにその生物の情報量は多いッ!! 何百億では済まない
たとえ宇宙の膨張と同じ速度で『克服』していたとしてもッ!!

[メイン] ザ・ワールド : 「うぐォオオオオオオオオッッ!!!」

弱点はあまりにも多いッ!!!
クラックッ!! どの物質にも『ヒビ』が存在するようにッ!!

[メイン] ジョジョ : 「弱点……!きみは『長所』が伸びたことに集中しすぎて表裏一体なはずの『弱点』に気が付けなかったんだッ!」

[メイン] エイハブ : 「そうか───!」
まさに同じ。皮肉にもッ! DIOの末路と『同じ』ッ!
『長所』のみを重点に置き、『短所』に見向きもしなかったゆえの痛手ッ!!

[メイン] 神原駿河 : 「全ては、表裏一体か……!!」

[メイン] ジョジョ : 「……だが……それに気付いてもなおッ!圧倒的な生命力ッ!ぼくの『波紋』では完全に断つことはできないッ!」

[メイン] 神原駿河 : なかなか聞いていて耳に痛い言葉だが、『納得』したッ!!

[メイン] 七七 : 「……っ……!! それじゃ……!!」

[メイン] ジョジョ : 「もっと……もっと『パワー』があればッ!」

[メイン] ザ・ワールド : 「フッ…………だがすぐに『再生』はできる
 が……『JOJO』……このヴィジョンでは、おそらくキサマを『克服』することはできない───……

 そして俺の力とならなかったキサマらの『力』は
 俺がキサマらを倒さん限りは、おそらく俺の『力』とはなりえない」

[メイン] ザ・ワールド : 「……『JOJO』 貴様との勝負は……
 俺がつける、だが……ザ・ワールドでは相応しくは無いッ!!!」

[メイン] ザ・ワールド :  

[メイン] ザ・ワールド : 刹那、ザ・ワールドの実像がぶれ。

[メイン] ジョジョ : 「……!」

[メイン] ディオ :  

[メイン] ジョジョ : 「あ……ああッ!」

[メイン] ディオ : 「…………俺が相手になろう」
ザ・ワールドと分かれた、それは……

[メイン] ジョジョ : 「そうか……ッ!今のディオは……」

[メイン] ジョジョ : 「『ディオ・ブランドー』という生命体の力さえ、自在に扱えるのかッ!」

[メイン] 神原駿河 : 「な、何ィィッ!?」

[メイン] ディオ : 「この姿でなければ 『未完成』の『天国の外側』ではまだ貴様を倒す事はできんッ!!」
「さあ……貴様と俺は……『向こう』だッ!!!」

一気に接近し、ジョナサンの丸太のような脚に蹴りを喰らわせる。

[メイン] ジョジョ : 「ぐうッ!!」
脚に蹴りを入れられながらも組み付き、そのまま部屋を飛び出すように10mゲインッ!

[メイン] ディオ : 「ぬううッ!!! 『JOJO』ッ!!

 最終ラウンドだ……!!! 行くぞッ!!!」

そのままジョジョと共に、『天国の外側』から離れていく。

[メイン] ザ・ワールド : 「…………」

ザ・ワールド、否、『天国の外側』は
ディオと分かれた途端に、ニタリと口角を上げるのみで言葉を発す事はなくなる。

[メイン] ザ・ワールド : が、……湧き出る『力』と成長性:∞は……変わらないッ!!

[メイン] エイハブ : 「手はもはや止める事は許されないようだな───」

[メイン] エイハブ : 妖刀を、生身の右手で引き抜き───血濡れの"鬼"となる。

[メイン] 神原駿河 : ──思案

[メイン] 神原駿河 : 奴を撃ち倒すのには、初期に比べて数段火力を増したact3でも不可能
新たな段階への条件も、今揃えるには……

[メイン] 神原駿河 : 時間が足りないッ!!

[メイン] 神原駿河 : 「……どうする、誰か奴への切り札を今すぐ用意できると言ってくれないか」

[メイン] マキマ : 「仕方ありませんね。」

[メイン] エイハブ : 「攻撃の性質を覚えようにも……『無限』に『成長』するってこたぁ……
 ……!!」
エイハブ、いや、アヌビスがマキマに目をやる。

[メイン] 七七 : 「…………」

[メイン] マキマ : 「できれば、彼は使いたくなかったのですが」

[メイン] 神原駿河 : 「……では、頼む」
これで、終わればそれで良いが……
『準備』を進める

[メイン] ザ・ワールド : 「いいだろう……"支配の悪魔"よ」

[メイン] 神原駿河 : 何か、成さなければ

[メイン] マキマ : 「助けて」

[メイン] 七七 : 「……するが。」
肩を、ぽんと

[メイン] 神原駿河 : 皆、『死んでしまうッ!』

[メイン] ザ・ワールド :
       チェンソーマン
「使ってみろ……"彼"を……」

[メイン] 神原駿河 : 「…?」

[メイン] マキマ : 「チェンソーマン。」

[メイン] 七七 : 「……いま、この場にいるのは……するがだけじゃ、ないでしょ。」

[メイン]    : 空から。降ってくる。

[メイン]    : 1人の、ヒーローが

[メイン] チェンソーマン  : ズシン

[メイン] チェンソーマン  : 「アァ〜〜………」

[メイン] 七七 : 「……するがは、一人じゃないから。……だから、全部自分でどうにかしようとなんて、しなくていいんだよ」

[メイン] チェンソーマン  : 「はぁ〜〜…マキマさん呼びました〜?」

[メイン] マキマ : 「うん、お願いね、デンジ君。」

[メイン] 七七 : 「……せなが、言ってた。魂は」
「時間を超越するんでしょ」

[メイン] チェンソーマン  : 「しっかたねぇなぁ〜〜!!!やるかァ〜!」

[メイン] 七七 : 「……刹那でも、超えてみせて。信じてるから」
構える

[メイン] チェンソーマン  : 「オイ!そこの悪党野郎!」

[メイン] 神原駿河 : 「……ああ、任せたぞ!」

[メイン] 神原駿河 : 地面に爪弾を撃ち込み、穴を作ると…
『黄金長方形』の世界に入っていく

[メイン] ザ・ワールド : 「───……"喰らった"概念を
 消し去る……そうだったな、チェンソーマンよ」

[メイン] チェンソーマン  : 「あぁ〜?そうだぜ〜」

[メイン] ザ・ワールド : 「ならば……"食われる前に" "喰らう"のみだ」
───再び、帯電。

[メイン] ザ・ワールド :  

[メイン] ザ・ワールド : 『10万ボルト』

[メイン] ザ・ワールド :  

[メイン] ザ・ワールド : 虚空に亀裂が入れば、高電圧の10万ボルトが
周囲に広がる……!

[メイン] チェンソーマン  : 「ぐっうぅぅぅぅ!!!!!」

[メイン] チェンソーマン  : 他を守る様に、自らが盾になる

[メイン] チェンソーマン  : 「充電してくれてありがとうよォ〜!!!!」

[メイン] ザ・ワールド : 「……"噂通り"だッ……!」

[メイン] チェンソーマン  : 「お陰でフル充電だァァァァ!!!」

[メイン] エイハブ : 「その電撃の軌道……"覚えた"ぞッ!!!」

[メイン] エイハブ : チェンソーマンと、偶然にも"息"を合わせ。

[メイン] チェンソーマン  : 「行くぜ〜赤いおっさん!!」

[メイン] チェンソーマン  : ───その場でジャンプをし、奴へと近付き

[メイン] エイハブ : 「ああ……」
背後の七七に目をやり、コク、と頼むように頷くと

[メイン] チェンソーマン  : 奴へと片腕のチェーンを当てに掛かる

[メイン] エイハブ : 刀で、弧を描き───
チェンソーマンとは別の方向から、刀を振り下ろす。

[メイン] 七七 : 「……。」
こくん。

[メイン] ザ・ワールド : 「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ───ッ!!!!!!」

[メイン] ザ・ワールド : 圧倒的な力が伝わり、拳に亀裂が入るがッ……!

[メイン] ザ・ワールド : 跳ね返すッ……!!!

[メイン] チェンソーマン  : 「こちとら無駄なモンなんかねえんだよォぉおおおお!!!!」

[メイン] 七七 : 姿を消し、飛び上がって……『生』と相反する力をその身に跳び交わせる。

[メイン] エイハブ : 「ッ……!!!」

[メイン] エイハブ : チェンソーマン以上に、衝撃が伝わり
思わず、義手で刀を掴み正気に戻る。

[メイン] 七七 : 「喰らい尽くせ……余り溢れる『生』をッ!!」

[メイン] アヌビス神 : エイハブ───構わねえッ! おれを投げろッ───!!!

[メイン] エイハブ : 「!」

[メイン] エイハブ : 「ウオオオオオオオ────ッッ!!!」

[メイン] ザ・ワールド : チェンソーマンの二撃目。
そして、目の前から妖刀の投擲。更に、こちらを喰らいつくそうとする『透明』の存在ッ!!!

[メイン] ザ・ワールド : それでもなお、『天国の外側』はラッシュを繰り出すッ!!
さらにその拳が描く奇跡は『芸術』さえも感じるほどに磨きがかかり。

[メイン] マキマ : 「…そこだよ。」

[メイン] マキマ : 指鉄砲にし、放つ。

[メイン] マキマ : 「ぱん。」

[メイン] ザ・ワールド : 刹那、腕を交差させ───指鉄砲を防ぐ。
勢いよく後ずさるが……ニタリと笑い、その掌には『光』が凝縮していた。

[メイン] ザ・ワールド : 「───!!!」

そのまま、光を地面へと叩きつけ、圧倒的破壊を見せつけるッ!!!

[メイン] 七七 : 「……!! まず……ッ!!」

[メイン]   : 破壊───地が揺れ、亀裂が走り
視界の全てが砂埃と、礫によって塞がれる。

[メイン] 神原駿河 : 穴から飛び出るようにして、その場に現れるッ!

[メイン] エイハブ : 「……! 駿河」

[メイン] エイハブ : 血まみれになりながら、駿河へと駆け寄る。

[メイン] チェンソーマン  : 「おせぇんだよ!」

[メイン] 神原駿河 : 「なっ───!?」
戻った途端全てを覆うような砂塵の帷
敵を視認でき愕然とする

[メイン] 七七 : 「……っ」

[メイン] 神原駿河 : 「切り札を携え戻ってくれば、よもや敵を見失うとは…!?」

[メイン] エイハブ : 「……『次』が来れば、終わりだろうな……」

[メイン] 左腕 : 腕は溢れんばかりの回転に震え、骨が軋みを上げている

[メイン] 神原駿河 : 「せ、せっかくのACT4もこのままでは自滅──だと!?」

[メイン] エイハブ : ───どうする。どうすればいい。

[メイン] 神原駿河 : 回転が神原の体を登り、分解を始めている

[メイン] 神原駿河 : 放たなければ、死ぬ

[メイン] 神原駿河 : だが、敵へ叩きつけなければ意味がない

[メイン] 七七 : 「…………!!」

[メイン] 神原駿河 : 「よもや、ここまでなのか…!?」

[メイン] エイハブ : 「───七七」
すると、駿河と

もしも放てなければ『運命』を共にするとでもいわんばかりに、『支える』

[メイン] 神原駿河 : 「なっ!?」

[メイン] マキマ : 「……未来の悪魔。未来を見せなさい。」

[メイン] 七七 : 「……。」

[メイン] エイハブ : 「…………俺は軍人だ
 ───探って見せるさ、それに……」
七七に目をやり、ニヤリと笑みを浮かべる。

[メイン] 左腕 : 黄金の回転の勢いは、既に神原の上腕部を覆い尽くしている。
はち切れそうな勢いを、大きな手にまずは抑えられる

[メイン] 七七 : 「……うん。信じてるって、言ったから」

[メイン] 未来の悪魔 : …………いずれ分かる。

[メイン] 神原駿河 : 「………」

[メイン] 七七 : その反対側に回り込んで━━寄り添うように『支える』。

[メイン] 神原駿河 : 危険だ、離れろ
逃げろ、隠れろ

[メイン] 神原駿河 : そんな言葉が浮かんだが

[メイン] 神原駿河 : 「ああ、そうだ」

[メイン] 神原駿河 : 「私には、君達がいたんだった」

[メイン] エイハブ : 「…………」
目を瞑る。そして……七七と、駿河と共に───探る。
そして『覚悟』を『決める』。

[メイン] マキマ : 「…………そういう事か。デンジ君」

[メイン] 神原駿河 : 目を閉じ、第六感に全てを掛けて時を待つ

[メイン] チェンソーマン  : 「あぁ〜!?なんだァ〜!マキマさん!」

[メイン] 七七 : ━━見える。確かに……そこには、生命の鼓動が。

[メイン] 神原駿河 : ──今、わかった

[メイン] 神原駿河 : 撃つべき場所がッ!

[メイン] エイハブ : ───ありがとう、クワイエット。

[メイン] エイハブ : 見えた。

[メイン] 神原駿河 : 息を深く吸い

[メイン] マキマ : 「足止め、お願いね。」

[メイン] 七七 : 気持ちを確かめるように……こくんと。

[メイン] チェンソーマン  : 「ったく…人使いが荒いぜ〜!!!……………」

[メイン] チェンソーマン  : 「『其処』だなァあああああ!!!!」

[メイン] 左腕 : 左腕は、もうブレない

[メイン] ザ・ワールド : 「───!!!」
寸前、砂煙という『壁』の向こうに感じる

漆黒と黄金のまじりあった……『精神』ッ!!!

[メイン] チェンソーマン  : 「オラァああああああああ!!!!」

[メイン] ザ・ワールド : 「!!?」

[メイン] 神原駿河 : 「”牙“ッ!!ACT4ォォ!!」

[メイン] 左腕 : タイミングを合わせ、躊躇なく砂塵の向こうへと“牙”を解き放つ

[メイン] ザ・ワールド : 「───無駄ァ……!!!」

チェンソーマンの一撃を薙ごうとした瞬間。

[メイン] ザ・ワールド : 突き刺さる───妖刀ッ!!!

[メイン] アヌビス神 : 「……おとなしく喰らいな───」

[メイン] act4 : 砂や瓦礫を裁断しながら、エネルギーの籠った“牙”から、大きな“影”が姿を表し

[メイン] act4 : 「チュミミーン!」

[メイン] ザ・ワールド : 「…………!!!」
チェンソーマンの一撃を受け止めきれず、全身に亀裂が入り
0.00000000……だが『間隙』が生まれる。

[メイン] act4 : やっと捻り出された隙に、ACT4がたどり着いた

[メイン] act4 : ザ・ワールドへ向け、大きく拳を振り上げ

[メイン] ザ・ワールド : 「───無」

[メイン] ザ・ワールド : 拳を虚空に切ろうと、

[メイン] ザ・ワールド : が……!

[メイン] act4 : 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」

[メイン] act4 : 空を切る拳諸共に、強引に死出の拳を叩き込む
この渾身の一時をカケラも逃さないよう
狂気さえ感じる濃度で、『黄金の回転』を拳に込めて殴り付ける

[メイン] ザ・ワールド : 「─────!!!!!」
それに対照的に、渾身の一時のカケラも"進める"ことはできず
その濃度に押され、漆黒の巨躯に亀裂が入っていくッ!!!

[メイン] ザ・ワールド : これが

───『黄金の回転』
『天国の外側』の拳はいくら触れようとしても、もはや『手遅れ』ッ!!!

[メイン] act4 : ラッシュの勢いが最高潮に達すると同時
“左腕”を勢いよく振り抜き──ッ!!

[メイン] act4 : 「オラァァァァ!!!!」

[メイン] ザ・ワールド : 『天国の外側』が蓄えた力が、光の粒となりて発散されていくッ!

何百ッ───何千ッ何万ッ何億ッ何兆ッ───!!!!!!

最後に残った『力』はッ!!!!!!

[メイン] act4 : 最高速を更新して、全身全霊を叩き込むッ!!

[メイン] ザ・ワールド : 「『世界』───時よ……!!!」

が、間に合わずッ!!!

[メイン] ザ・ワールド : 『天国の外側』は、まるで存在しなかったかのように
消えていく。まるで千切れていく雲のように、消えていく。

[メイン] ザ・ワールド : 無限回、その力を殺されるッ!!!

[メイン] act4 : 最後の一撃を叩き込みながら、敵へと無限の回転エネルギーと同時に浸透する

[メイン] act4 : 無限の回転は、人体に撃ち込まれれば細胞を破壊して身体を分解する

[メイン] act4 : が、敵が魂のスタンドであれば──

[メイン]   :
アウターヘブン
『天国の外側』は最後の最後
ザ・ワールド
『世界』へと戻り。
      ゼロ
そして───『虚空』へと還った。

[メイン] act4 : “カケラ”も残さない
放たれた側も、放った側も回転に呑まれ、誰もいなくなった

[メイン] 神原駿河 : 「ハァッ……ハァッ…!」

[メイン]   : それと同時───

ドッカァアアアアアアン!!!!

派手な音で床を突き抜ける巨漢ッッ!!! そして落下と同時───

[メイン]   : 『爆裂』ッッッ!!!

[メイン]   :  

[メイン] ジョジョ : 瞬間ッ!覗かせるはふたりの姿ッ!!

[メイン] ディオ : 「………………」

[メイン] ディオ : 「………」

[メイン] 神原駿河 : 「なッ!?」

[メイン] 神原駿河 : 「ジョースター卿ッ!?」

[メイン] ジョジョ : 「みんなッ!!!この『施設』は今燃えているッ!!!すぐに『脱出』するんだッ!!!」

[メイン] エイハブ : 「……わかった───」

[メイン] 神原駿河 : 「……理解したッ!が、ディオはどうすれば!」

[メイン] 七七 : 「…………ッ」
顔をこわばらせて

[メイン] ディオ : 「安心しろ」

その時、スタンドを超越していたとはいえ『天国の外側』を破壊されてもなお生きているディオは
予想外の言葉を口にした。

[メイン] ジョジョ : 「ディオとの決着は……ぼくが付けるッ!!」

[メイン] ディオ : 「こいつの、言う通りだ」

[メイン] ディオ : 「決着は、付く」

[メイン] ジョジョ : 「いや……」

[メイン] ジョジョ : 「『付ける権利はぼくにだけある』ッ!!!」

[メイン] ディオ : 「───ああ、だから
 最後の一撃……これは俺達だけの『世界』だ」

[メイン] 神原駿河 : ……強引に身につけたACT4の反動で、もうディオを相手に放てる爪弾は、無い

[メイン] ジョジョ : 再びッ!踏み出して!!
抱きつくように落下するッ!!

[メイン] 神原駿河 : 「……逃げるぞッ!」

[メイン] チェンソーマン  : 「しっかたねえなぁ〜〜!!勝てよォ〜〜!!!」

[メイン] アヌビス神 : 「お おいィ~~!! 待て! 置いてくなッ……!」

[メイン] エイハブ : 「……」
アヌビスを回収し。

[メイン] エイハブ : 「行こう」

[メイン] マキマ : 「行きましょうか。」

[メイン] 七七 : その言葉にはっ、と意識を戻して。

[メイン] 七七 : 「……死んだら、許さない。」

[メイン] 神原駿河 : 「……検討を祈るッ!」

[メイン] ジョジョ : 「……ああッ!!」

[メイン]   : そして───この瞬間、この場は『二人』ッ!!!

『二人だけの世界』が広がった。

[メイン]   :  

[メイン]   :  

[メイン]   :
ザ・ワールド
『世界』

[メイン]   :  

[メイン]   :  

[メイン] ディオ : 「…………」

[メイン] ディオ : 「見えているな」

[メイン] ディオ : 「『JOJO』……」

[メイン] ディオ : 「時の止まった世界を…………そして
 動けるな」

[メイン] ジョジョ : 「……勿論だ」

[メイン] ディオ : 「───『JOJO』
 これが正真正銘最後の時間停止だ」

[メイン] ジョジョ : 「きみはかつて言った……ぼくときみほど練られた運命はないと」

[メイン] ジョジョ : 「そしてぼくたちの運命はまた……今ここで一つになったッ!!」

[メイン] ディオ : 「───ジョジョ
 おまえがいたからこそ 俺がいる
 …………まさに"奇妙"な"友情"だったな」

[メイン] ディオ : 「───」

[メイン] ディオ : 一歩、前へ踏み出し。

[メイン] ディオ : 放つ。

[メイン] ディオ : 「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄

[メイン] ディオ : 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄

[メイン] ディオ : 無駄無駄無駄無駄無駄無駄

[メイン] ディオ : 無駄無駄無駄無駄ァァア─────ッッッ!!!!!!!!!!」

[メイン] ジョジョ : 「おおおおおおおおッ」

[メイン] ジョジョ : 「ふるえるぞハート!!」

[メイン] ジョジョ : 「燃え尽きるほどヒート!!!」

[メイン] ジョジョ : 「刻むぞ、血液のビートッ!!!」

[メイン] ジョジョ :
 サンライトイエローオーバードライブ
「山吹色の波紋疾走ッ!!!」

[メイン]   :
        ぶつか
二つの衝撃が、今衝突る。

[メイン]   :  

[メイン]   :  

[メイン] ディオ : ジョジョ。
俺はディオであって、ディオではない。

[メイン] ディオ : 俺は、貴様の見ていた。

[メイン] ディオ :
ファントムペイン
 『幻肢痛』   なのだ

[メイン] ジョジョ : 一歩、さらに踏み出して

[メイン] ジョジョ : 「おおおおおおッ」

[メイン] ジョジョ : 「このナイフはッ!!!!」

[メイン] ディオ : 「───!!!」

[メイン] ジョジョ : 「きみが『遺した』ものの」

[メイン] ジョジョ : 「ナイフだァーーーーーッ!!!」

[メイン] ディオ : ナイフが、突き立てられ───俺の肉体に『亀裂』が入る。

[メイン] ディオ : だが、不思議と───嫌な感じはしなかった。

[メイン] ジョジョ : そのまま二人の身体は離れッ!!

[メイン] ジョジョ : 崩れゆくディオの身体の先には……

[メイン] ディオ : 俺という存在は、すでに1987年に死んでいるのだ。
世界の見せる『幻視』……この血飛沫でさえ、幻のようなものなのだ。

 ファントム・ブラッド
『幻視』 …… 『血』…………

[メイン] ジョジョ : SPW財団が『ジョースター家』に起きた出来事を忘れぬ為作った、守護神のレプリカッ!!

[メイン] ジョジョ : 『慈愛の女神像』ッ!!!

[メイン] ディオ :  

[メイン] ディオ : 『絶叫』

その代わりに

[メイン] ディオ : 俺の身体は

[メイン] ディオ :  

[メイン] ディオ :  

[メイン]   : モルフォ蝶となりて

霧散、した。

[メイン]   :  

[メイン]   :  

[メイン]   :  

[メイン] ジョジョ : 「……」

[メイン] ジョジョ : その勢いのまま、ジョジョの身体は建物の外に投げ出される

[メイン] ジョジョ : 『ジョースター邸』が燃えた、あの日と同じように……

[メイン] エイハブ : 「!! ジョジョ────!!!」

[メイン] 神原駿河 : 「ッ!?」

[メイン] マキマ : 「…………………」

[メイン] 七七 : 「しまっ……!!」

[メイン] 神原駿河 : 爪弾を放ち、木を削りだし
大きな綱のような物を作り出す

[メイン] アヌビス神 : 「…………いや……! これは……!」

[メイン] 神原駿河 : 「後は、これで受け止めれば──ッ!」

[メイン] ジョジョ : その身体は、網に受け止められて

[メイン] ジョジョ : 何処か安らかな表情で、眠っていた……

[メイン]   :  

[メイン]   : DIO…

『世界』

―――――完全敗北…死亡

[メイン]   :  

[メイン] エイハブ : 「……!!!」

[メイン] エイハブ : 流星群となりて落ちてきたはずの星々が元へ、戻っていく……。

[メイン] エイハブ :  

[メイン] エイハブ : 「この俺も……か」

[メイン] エイハブ : 手を広げれば、徐々に光の粒となりて
消え失せていく。

[メイン] 神原駿河 : 「なっ…!?」

[メイン] 七七 : 「……え?」

[メイン] エイハブ : 「…………俺は、"帰る"時が来たようだ」

[メイン] 神原駿河 : 「……そう、か」
「貴方も、彼に引き寄せられていたのか…」

[メイン] マキマ : 「………………なるほど、そういう事でしたか。」

[メイン] エイハブ : 「そのようだ……フッ」

[メイン] 七七 : 「…………!!」

[メイン] 神原駿河 : 「だが、そんな…こんなに、早くなくてもっ…!」

[メイン] アヌビス神 : 「おいッ!!! こんな場面でかっこつけて消えようとすんじゃあねえぞォ~~~!! うっ うっ おわっ!」
刀身だけが残り、他は朽ちていく。

[メイン] 神原駿河 : 目から涙を流し、地面を強く殴りつける

[メイン] 七七 : 立ち上る粒を、必死に上から押さえ込もうとするも……
指の隙間から溢れるばかり。

[メイン] デンジ : 「…赤いおっさん、名前聞いてなかったな」

[メイン] 神原駿河 : 「まだ、何も返せていない、礼さえ言い切れていないのに……!」

[メイン] エイハブ : 「…………いや、十分返してもらえたさ……」

[メイン] エイハブ : 「チェンソーマン、だったな
 アンタこそ名前はなんだ」

[メイン] デンジ : 「アァ?俺は……デンジだよ」

[メイン] エイハブ :
            センス
「そうか デンジ……いい名前だな」

[メイン] デンジ : 「…………………」
頭を掻く

[メイン] エイハブ : 「───俺は、ただ元の場所へと戻るだけだ
 そして……『天国の外側』と共に、煙となって消え失せるだけだ」

[メイン] エイハブ :  

[メイン] エイハブ : 「だから……泣くな
 ……俺の事を覚えてくれるなら、それでいいさ」

[メイン] エイハブ : 「…………」

[メイン] エイハブ : 「最後に、教えてやる」

[メイン] エイハブ : 「俺の」

[メイン] エイハブ : 「名前は────……」

[メイン] エイハブ :  

[メイン] エイハブ :  

[メイン]   : その名前は、きっと誰にとっても『平凡』であったが

それが彼の名前であった。

[メイン] アヌビス神 : 「…………バカヤローがよ……」

[メイン] マキマ : 「お疲れ様でした。スネーク。いえ…………」

[メイン] 七七 : 地を向いて、ポケットに挟み込んだ手が━━止まる。

[メイン] 七七 : 「…………忘れない。」

[メイン] 七七 : 「…………メモなんか、なくったって……忘れない。……絶対。」

[メイン] 神原駿河 : 神原は、何度もその“名前”を呟き

[メイン] 神原駿河 : 空を仰ぎ、涙で滲んだ星々を目に焼きつけた

[メイン] デンジ : 「あぁ、それでいいと思うぜ。誰からも…覚えて貰えなくて……忘れられたら……本当に無くなっちまうからな。」

[メイン] デンジ : 「……………なぁ、アキ。」

[メイン] デンジ :  

[メイン] デンジ :  

[メイン] デンジ :  

[メイン] ジョジョ :

[メイン] ジョジョ :

[メイン] ジョジョ :

[メイン] ジョジョ : 「そうか。彼はもう『帰る』事が出来たんだね」

[メイン] ジョジョ : 「……ぼくもきっと、もうすぐ帰らないといけないんだろう。死人はいつまでも、いちゃいけない」

[メイン] ジョジョ : 「だけど……まだ一つやる事がある」

[メイン] ジョジョ : 彼の遺した、『石仮面』と向き合って

[メイン] ジョジョ : この時代にまで名を残した彼のように、ハンマーを持って、それを叩き割った

[メイン] ジョジョ : 「『大袈裟かもしれないけど、世界は救われた』」

[メイン] 神原駿河 : 「……そうだな」
「きっと、そうに違いない」

[メイン] マキマ : 「そうですね。ですが…」

[メイン] マキマ : 「まだやる事があります。」
DISCを拾い上げる。

[メイン] ジョジョ : 「……」

[メイン] デンジ : 「アー?なんだそりゃ、マキマさん。」

[メイン] マキマ : 空へと投げ。

[メイン] マキマ : 「ぱん。」

[メイン]   : DISCは、粉々に砕け散る。

[メイン] 神原駿河 : 「……今のは」

[メイン] 七七 : 「……?」

[メイン] マキマ : 「…通信で聞いていた、スタンドのDISCです。」

[メイン] マキマ : 「これで、任務完了と言えるでしょう」

[メイン] アヌビス神 : 「…………何がなんだかわかんねェ~が……これで全て、終わったのか」
刀身だけになりながらも、地面に突き刺さり。

[メイン] 神原駿河 : 「……ああ、終わったんだ」

[メイン] マキマ : 「えぇ、終わりましたね。全てが」

[メイン] 七七 : 楽しげにぱきぱき、と仮面の残骸をさらに細かく踏み潰す。

[メイン] ジョジョ : 「……ああ。終わった」

[メイン] 神原駿河 : 「……あの悍ましい石仮面も、砕けてしまえは新雪のようだ」

[メイン] デンジ : 「つーかよ…………マキマさん以外知らない人だらけなんだけどぉ!?」

[メイン] ジョジョ : 「ぼくの役目も……」

[メイン] ジョジョ : ジョナサンの身体は既に端から薄まり始めていた。

[メイン] 七七 : 「七七だ。」
デンジの方をくるりと。

[メイン] マキマ : 「………………貴方も、でしたか。」

[メイン] デンジ : 「七七かァ〜!よろしくなァ〜!!俺あデンジだ」

[メイン] 神原駿河 : 「……貴方も、なのですね」

[メイン] 七七 : 「でんじ……」
メモを取り出そうとしたところで、ジョナサンに気付く。

[メイン] デンジ : 「消えかかってんけど……あんたも行っちまうのか?」

[メイン] ジョジョ : 「ぼくも元々あの日死んだ人間だ。ディオと同じで」

「そうあるべき場所に戻るだけさ……」

[メイン] 神原駿河 : 「…ジョースター卿、今なら子孫の方々に遺言などが残せるかもしれない」
「何か、伝えたい事は」

[メイン] ジョジョ : 「そうだな……」

[メイン] 十六夜咲夜 : その場に、目を覚ました彼女がやって来る

[メイン] マキマ : 「…目覚めましたか。」

[メイン] ジョジョ : 「……?」

[メイン] 七七 : 「……」

[メイン] 七七 : 「『さくや』。」

[メイン] 神原駿河 : 「!」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「また奇妙な感覚を感じてやってきたら……父さんじゃない、のね」

[メイン] ジョジョ : 「父さん……?」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「私は……」

[メイン] ジョジョ : 「……まさか……ディオの……」

[メイン] 七七 : ……こくり。

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……ええ」

[メイン] ジョジョ : 「君たちが戦った『ザ・ワールド』は……もしかして、彼女だったのかい?」

[メイン] 七七 : 「……うん。でも、今は、大丈夫って。……ね、まきま」

[メイン] マキマ : 「えぇ、今の彼女なら大丈夫でしょう」

[メイン] ジョジョ : 「……そうか」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「何の根拠で……」

[メイン] マキマ : 「残念な事に、貴方の名前を聞いた彼はもう逝ってしまいましたからね。それに…」

[メイン] ジョジョ : 「……そうだ、遺言だったね。これは、ぼくの子孫だけじゃなくて……きみにも聞いてほしい」

[メイン] ジョジョ : 「血の運命……確かに逃れられないものかもしれない」

[メイン] ジョジョ : 「だけど……『逃げる』ことはできなくても、『断ち切る』ことはできる。それを、覚えていてほしい」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……貴方、何様のつもりよ。どこの立場でそれを言ってるの」

[メイン] アヌビス神 : 「……十六夜 咲夜……

 アンタは、操り人形でも、殺人人形でもない
 『幻在』を見ていただけに過ぎない……」

「お前はお前だ」

[メイン] アヌビス神 : 「……そう アイツは言っていたな」

[メイン] ジョジョ : 「そうだね……紳士として失格だった。この場にいる人全員に、挨拶をしていなかった。改めて……」

[メイン] ジョジョ : 「『ジョナサン・ジョースター』」

[メイン] ジョジョ : 「『ジョジョ』だ」

[メイン] 十六夜咲夜 : 「……『JOJO』……」

[メイン] 神原駿河 : 「……ああ」

[メイン] 七七 : 「うん。」

[メイン] ジョジョ : より一層、その姿は薄まって

[メイン] デンジ : 「ジョジョか……付き合いとしては、短い間だったが覚えておくぜ」

[メイン] アヌビス神 : 「フッ……聞き覚えしかないさ
 ジョナサン・ジョースター…………おまえの雄姿……『覚えた』ぞ」

[メイン] ジョジョ : もうそこに、ひとりの『紳士』の姿は残っていない……

[メイン] : 一八八九年 2月7日
ジョナサン・ジョースター 死亡

[メイン] : 二〇XX年
ジョナサン・ジョースター …………

[メイン] :

[メイン]   :  

[アウターヘブン] エイハブ :  

[アウターヘブン] エイハブ :

───1995年 アウターヘブン

[アウターヘブン] エイハブ : 目を覚ませば
けたたましい警告音が鳴り響く中
俺は壁にもたれかかり、ピクリとも身体を動かせない。

[アウターヘブン] エイハブ : …………メタルギアは、破壊された。
あの蛇が……"やりすぎた"
"やりすぎた"のだ。

[アウターヘブン] エイハブ : 図らずとも
彼は───『血の運命』を辿る事になるだろう。
だが、俺は忠を尽くす。口を開く事はなかった。

[アウターヘブン] エイハブ :  

[アウターヘブン] エイハブ : メタルギアの破壊によって、自爆装置が起動している。
だが……そうはならなくとも、このアウターヘブンは……

『空爆』によって爆破される事がすでに、情報として入ってきていた。

[アウターヘブン] エイハブ : ───"イシュメール"は戦争孤児と、捕虜を
その前に、救出しようと駆け回っている頃、だろう。

[アウターヘブン] エイハブ :  

[アウターヘブン] エイハブ : 今度ばかりは強心剤ではどうにもならない。

[アウターヘブン] エイハブ : 俺は、アウターヘブンは

あと"数分"で煙となって消え失せる…………。

[アウターヘブン] エイハブ :
    ブルーアーカイブ
全ては『青い記録』にすら、なる事もなく
海へと、その骨も土へと還る事だろう。

[アウターヘブン] エイハブ :
       アシタナシ
俺にもう"明日は残されてもいない"。

[アウターヘブン] エイハブ : …………ただ間違いないのは、俺という存在がこの場所で目覚めた事で

      ワンピース
欠けていた『一片』が埋まり、"再び時を動かした事"。

[アウターヘブン] エイハブ : もう"幻想"を見る事すらも、叶わないだろう。
俺は……『悪魔』として、この世から消える。

[アウターヘブン] エイハブ : 「…………」
俺は、ゆっくりと目を閉じた。

[アウターヘブン] エイハブ :  

[アウターヘブン] エイハブ :  

[アウターヘブン]   : ───その時、何かが咽び泣く。

[アウターヘブン]   : ……『犬の声』がした。

[アウターヘブン] エイハブ : 目を開けば、そこには

懐かしい顔触れが、俺の前に立っていた。

[アウターヘブン] エイハブ : そして、瞬きを挟めば。
───………

[アウターヘブン] エイハブ :  

[アウターヘブン] エイハブ : そうか

[アウターヘブン] エイハブ : お前は、ずっと俺の傍にいたのか。

[アウターヘブン] エイハブ :  

[アウターヘブン] エイハブ : …………
そうか。

[アウターヘブン] エイハブ : もう

[アウターヘブン] エイハブ : 銃を持たなくても───いいのか。

[アウターヘブン] エイハブ : ───クワイエット。

[アウターヘブン] エイハブ :  

[アウターヘブン] エイハブ : 俺が目を落とすと
そこには、SPW財団のエンブレムが

確かについていた。

[アウターヘブン] エイハブ :  

[アウターヘブン]   : BIGBOSS……

アンタは『イシュメール(生きる)』
俺は……

[アウターヘブン]   : 『エイハブ(死ぬ)』

[アウターヘブン]   :  

[アウターヘブン]   : 1995年

 BIGBOSSのファントム、ソリッド・スネークによって殺害される。

[アウターヘブン]   :  

[メイン]   : 「───そして "時は動き出す" 」

[メイン]   : ジョジョの奇妙な冒険

    戦闘卓流  完